7・7シンポ関係…共同候補の現実2006/07/12

 共同候補というと、まず沖縄の選挙が思い浮かぶ。最近崩れつつあるとはいえ、沖縄には長い革新共闘の歴史があり、革新候補が一本化出来ると高い確率で勝利できる。前回の参議院選挙の糸数候補しかり、4月の沖縄市長選の東門候補しかり。
 しかし、全国を見渡すと、共同候補が必ずしもプラスになるとは限らない例がたくさんあるのです。

 分かりやすいのは青森県知事選の例。
●95年の青森県知事選 社民系候補が9・9万票、共産系候補が3・0万票。
●99年の青森県知事選 社民党候補が8・9万票、共産系候補が3・6万票。
●03年の青森県知事選 共同の候補(社民、共産、新社)が3・5万票。

 03年の選挙の社民、共産、新社の共同の候補の平野良一さんは前回の共産党票にも及ばなかった。平野さんは元浪岡町長で長年にわたって反核燃運動を続けてきた人。高齢ではあったけど、人格・見識も申し分のない候補者だった。確かに告示一カ月前の決定で出遅れではあったけど、平野さんで共同候補でこんなボロ負けしたら、もうどうにもならないよって感じ。結局、この大敗北で旧革新勢力は総崩れになった。
 このとき当選した木村知事がセクハラ不倫疑惑で当選後すぐに辞職して半年後(03年6月)に出直し選挙になるんだけど、社民党は候補者を出せず民主党と相乗り、共産党候補は1.9万票に止まった。
 勝ったときしか報道されないから気付きにくいけど、共闘したら勝てるというのは実はウソ。沖縄はもともと革新が強くて、強いから勝ちに行く共闘が成立する。弱いのもが寄り添う形の共闘は実は多くが負けているのです。もちろんそれ以外にも様々な理由があるのだけど、まとまれば勝てるという大ざっぱな話ではなくて、勝てる共闘のために必要な条件を詳細にかつ具体的に考えていくことが必要じゃないか。
 もちろん勝負自体には負けても、次に繋がる、あるいはそれぞれに持ち帰ってプラスになるような負け方にできれば、共同の意味は大いにある。しかし、結局、マイナス効果が残るような「共闘」も少なくないということも認識はしておくべきだと思う。
 なお否定的なことばかり言っているようだけど、ぼく自身はあくまで革新共闘を推進する立場。ケチをつけて足を引っ張っているわけじゃありません。大ざっぱな善意だけの議論じゃなくて、緻密にプラスもマイナスも考えながら推進しましょうということです。

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