政府・与党の一元化について ― 2009/09/24
議員立法の全面禁止とも報道された民主党の文書「政府・与党一元化における政策の決定について」の内容は下のようなもの。確かに政策機能をすべて政府に一元化し、「法律案の提出は内閣の責任で政府提案として行う」と書かれている。さらに、「優れて政治的な問題」については、「党で論議し、役員会において決定する」、それに係わる法律案の提出は、党の責任で議員提案として行う」とも。「議員立法原則禁止」と読めないこともない。
でも、これだけではなんともいえないな。そもそも一般行政に関する法律案を政府提案とすべきであることは当然だ。内閣法制局を通らないような法案を安直に依頼立法するようなことは、本来、認めるべきではない。
また、「優れて政治的な問題」については、これまでも議員立法と処理されてきたし、実質的には党で論議し各党の決定を基にして立法されてきた。政治倫理関係など立法のことだ。これもこれだけなら別に問題はない。
問題はこれ以外の議員個人の自発的な立法活動を認めないのかどうかだ。一応、ここでは「党の決定を受けていない議員立法は一切禁止」とまでは明記されていない。漏れ伝わるところでは、小沢さんは党の決定と無関係に勝手に議員立法なんてダメと言っているようで、あわせて考えると「議員立法原則禁止」ということになるんだろうけど、報道自身にややフライング気味かもしれない。
まだまだ、「一元化」の中身や、具体的な意思形成方法、国会運営の中身等々どうなるのかほとんど決まっていないのが現実。本当に議員立法禁止なんてことにもなりかねないのも事実だから、そうならないように声を大きくしていくことは必要かもしれない。そしてなにより質の高い議員立法をすすめていくことが一番ではないかな。
――――――――――――――――――――――――――――――
2009年9月18日
民主党・会派所属国会議員各位
関係 各位
鳩山政権発足にあたり、政府・与党一元化における政策の決定について、別紙の通りとすることといたしましたのでご報告申し上げます。
議員各位におかれましては、必ずお目通しをいただきますようお願いいたします。
(別紙)
1、民主党「次の内閣」を中心とする政策調査会の機能は、全て政府(=内閣)に移行する。
①一般行政に関する議論と決定は、政府で行う。従って、それに係る法律案の提出は内閣の責任で政府提案として行う。
①選挙・国会等、議員の政治活動に係る、優れて政治的な問題については、党で議論し、役員会において決定する。その決定にあたっては、必要に応じて常任幹事会あるいは議員総会で広く意見交換を行う。従って、それに係る法律案の提出は、党の責任で議員提案として行う。
2、各省政策会議
①副大臣が主催し、与党委員会所属議員(連立各党)が参加する。その他与党議員も参加可能とする。
②政策案を政府側から説明し、与党議員と意見交換する。
③与党議員からの政策提案を受ける。
④提案・意見を聞き、副大臣の責任で大臣に報告する。
⑤政府の会議として、議事録要旨の公開など透明性を確保する。
⑥政府の会議なので、団体ヒアリング等については、対象の選定基準と与党議員の発言に十分留意する必要がある。
⑥部門会議は設置しない。
3、大臣チーム
①大臣・副大臣・政務官で構成。
②各省政策会議で、提案・意見を聴取し、大臣チームが政策案を策定し、閣議で決定する。
でも、これだけではなんともいえないな。そもそも一般行政に関する法律案を政府提案とすべきであることは当然だ。内閣法制局を通らないような法案を安直に依頼立法するようなことは、本来、認めるべきではない。
また、「優れて政治的な問題」については、これまでも議員立法と処理されてきたし、実質的には党で論議し各党の決定を基にして立法されてきた。政治倫理関係など立法のことだ。これもこれだけなら別に問題はない。
問題はこれ以外の議員個人の自発的な立法活動を認めないのかどうかだ。一応、ここでは「党の決定を受けていない議員立法は一切禁止」とまでは明記されていない。漏れ伝わるところでは、小沢さんは党の決定と無関係に勝手に議員立法なんてダメと言っているようで、あわせて考えると「議員立法原則禁止」ということになるんだろうけど、報道自身にややフライング気味かもしれない。
まだまだ、「一元化」の中身や、具体的な意思形成方法、国会運営の中身等々どうなるのかほとんど決まっていないのが現実。本当に議員立法禁止なんてことにもなりかねないのも事実だから、そうならないように声を大きくしていくことは必要かもしれない。そしてなにより質の高い議員立法をすすめていくことが一番ではないかな。
――――――――――――――――――――――――――――――
2009年9月18日
民主党・会派所属国会議員各位
関係 各位
政府・与党一元化における政策の決定について
幹事長 小沢一郎
日々の党務ご精励に敬意を表し、感謝申し上げます。鳩山政権発足にあたり、政府・与党一元化における政策の決定について、別紙の通りとすることといたしましたのでご報告申し上げます。
議員各位におかれましては、必ずお目通しをいただきますようお願いいたします。
(別紙)
政府・与党一元化における政策の決定について
1、民主党「次の内閣」を中心とする政策調査会の機能は、全て政府(=内閣)に移行する。
①一般行政に関する議論と決定は、政府で行う。従って、それに係る法律案の提出は内閣の責任で政府提案として行う。
①選挙・国会等、議員の政治活動に係る、優れて政治的な問題については、党で議論し、役員会において決定する。その決定にあたっては、必要に応じて常任幹事会あるいは議員総会で広く意見交換を行う。従って、それに係る法律案の提出は、党の責任で議員提案として行う。
2、各省政策会議
①副大臣が主催し、与党委員会所属議員(連立各党)が参加する。その他与党議員も参加可能とする。
②政策案を政府側から説明し、与党議員と意見交換する。
③与党議員からの政策提案を受ける。
④提案・意見を聞き、副大臣の責任で大臣に報告する。
⑤政府の会議として、議事録要旨の公開など透明性を確保する。
⑥政府の会議なので、団体ヒアリング等については、対象の選定基準と与党議員の発言に十分留意する必要がある。
⑥部門会議は設置しない。
3、大臣チーム
①大臣・副大臣・政務官で構成。
②各省政策会議で、提案・意見を聴取し、大臣チームが政策案を策定し、閣議で決定する。
すべての権力を内閣に! ― 2009/09/24
まるで「すべての権力をソビエトへ!」をスローガンに、あらゆる国家権力を簒奪していったボルシェビキの革命を見ているようだ。確かに革命を遂行するうえで、権力の一元化は必要だった面もあったのだが…。
議員立法禁止という報道の元ネタは、9月18日に議員会館の民主党議員の事務所に配布された小沢幹事長名の文書らしい。小沢さんは、鳩山政権が出来るやいなや、政調の廃止を命じて、この紙を配って、イギリスに行ってしまった。たらたら党内論議をしていたらとてもまとまらない可能性があったと思うが、なにしろ本人がいないんだから押し戻しようもない。渋々ながら、小沢さんの指示した方向にすすめて行かざるをえないだろう。帰国した頃にはすでに既成事実化しつつあるわけだ。見事だよ。
政権交代の成果を手っ取り早く実現するには、意志決定や権限を一元化することが効果的なのは事実だろうが、日本の議会制民主主義がどこまで耐えられるのか、絶対に安心とも言い切れない。一直線に独裁政権になるとはぜんぜん思わないけど、こういった手法が危険で、不安を感じさせるのは事実だ。
古くさいナンセンスな慣例主義や前例踏襲の保守性、現状維持の弥縫策に長けた官僚政治、ナアナアの国対政治といった55年体制以来の日本政治の実態は、ある意味の安定感を持ち、擬似的に国民のコンセンサスを得るシステムとして機能してきた。
法的にはかなり強力な権限を持つ総理大臣も、キングメーカーのような有力者が裏にいたり、派閥のボス連中の合意が前提だったり、族議員がいたり、役所の協力が必要だったり、産業界との綱引きが必要だったりと、非常に多元的な力関係の中に存在していた。公式・非公式の複雑な意思形成のバランスの上の存在であり、そうそう勝手気ままに振る舞うことは出来なかったのである。
選挙で多数になったのだから法律通りに多数決でガンガン行きます。意思形成のプロセスは一元化してシンプルにすすめます。党内の足の引っ張り合いなんて認めませんよ、って方向なんだろうけど。大騒ぎして意見を出し合いながら「落としどころ」を探ってきたコンセンス型の「民主主義」に慣れた日本社会とは馴染まないんじゃないだろうか。
(※内容については別に)
議員立法禁止という報道の元ネタは、9月18日に議員会館の民主党議員の事務所に配布された小沢幹事長名の文書らしい。小沢さんは、鳩山政権が出来るやいなや、政調の廃止を命じて、この紙を配って、イギリスに行ってしまった。たらたら党内論議をしていたらとてもまとまらない可能性があったと思うが、なにしろ本人がいないんだから押し戻しようもない。渋々ながら、小沢さんの指示した方向にすすめて行かざるをえないだろう。帰国した頃にはすでに既成事実化しつつあるわけだ。見事だよ。
政権交代の成果を手っ取り早く実現するには、意志決定や権限を一元化することが効果的なのは事実だろうが、日本の議会制民主主義がどこまで耐えられるのか、絶対に安心とも言い切れない。一直線に独裁政権になるとはぜんぜん思わないけど、こういった手法が危険で、不安を感じさせるのは事実だ。
古くさいナンセンスな慣例主義や前例踏襲の保守性、現状維持の弥縫策に長けた官僚政治、ナアナアの国対政治といった55年体制以来の日本政治の実態は、ある意味の安定感を持ち、擬似的に国民のコンセンサスを得るシステムとして機能してきた。
法的にはかなり強力な権限を持つ総理大臣も、キングメーカーのような有力者が裏にいたり、派閥のボス連中の合意が前提だったり、族議員がいたり、役所の協力が必要だったり、産業界との綱引きが必要だったりと、非常に多元的な力関係の中に存在していた。公式・非公式の複雑な意思形成のバランスの上の存在であり、そうそう勝手気ままに振る舞うことは出来なかったのである。
選挙で多数になったのだから法律通りに多数決でガンガン行きます。意思形成のプロセスは一元化してシンプルにすすめます。党内の足の引っ張り合いなんて認めませんよ、って方向なんだろうけど。大騒ぎして意見を出し合いながら「落としどころ」を探ってきたコンセンス型の「民主主義」に慣れた日本社会とは馴染まないんじゃないだろうか。
(※内容については別に)
安保理で「核なき世界」決議 ― 2009/09/25
9月24日、国連安全保障理事会は核軍縮・不拡散をテーマにした初の首脳級会合を開催し、米国が提出した「核兵器のない世界」に向けた取り組みについての決議案を全会一致で採択した。安保理として初めての決議だ。
今回初めて安保理議長を務めたオバマ米大統領は「歴史的な決議だ」と意義を強調した。5常任理事国からはオバマ氏のほかロシアのメドベージェフ大統領、中国の胡錦濤国家主席、ブラウン英首相、フランスのサルコジ大統領の各首脳がそろい、鳩山首相を含む10非常任理事国の首脳らも出席した。
鳩山首相は「世界の指導者にぜひ広島、長崎を訪れて核兵器の悲惨さを心に刻んでいただければと思う」と呼びかけた。被爆国の責任として「日本は核兵器開発の潜在能力があるにもかかわらず、核軍拡の連鎖を断ち切る道を選んだ」と強調、北朝鮮の核問題に直面しながらも核軍拡競争には加わらない立場を鮮明にし、非核三原則の堅持を表明した。鳩山首相は英語で演説したが、国連の演説は通常は母国語で行なうので、日本語で演説すべきではなかったかという批判もあるが。内容は具体性があるとはいえないかもしれないけど、まあ良かったのでは。
―――――――――――――――――――――――――――
核不拡散・核軍縮に関する国連安保理首脳会合の決議(要旨)
(前文)
安全保障理事会は、核不拡散条約(NPT)の目標に沿って、核兵器のない世界に向けた条件を構築することを決議する。
すべての加盟国に軍縮に関する義務の履行や大量破壊兵器の拡散防止を求めた、92年1月31日の国連安保理首脳会議での声明を再確認する。
大量破壊兵器の拡散や運搬は国際的な平和や安全保障を脅かすことを再確認する。
NPTは核不拡散体制の礎で、核軍縮の追求や核の平和利用に不可欠な基礎だと強調する。
核兵器国による核軍縮の努力を歓迎する。
米ロの第1次戦略兵器削減条約(START1)後継に向けた交渉決定を歓迎する。
非核兵器地帯条約の締結に向けた取り組みを支持する。
09年の1874決議(対北朝鮮制裁決議)や08年の決議1803(対イラン追加制裁決議)を再確認する。
核テロの脅威に深刻な懸念を表明し、テロリストを利する核物質・技術支援を防ぐ効果的な措置をすべての国が取る必要性を認識する。
来年の核安全保障サミットの開催を支持する。
(本文)
核不拡散の義務を順守しない状況は安保理で問われることとなり、国際的な平和や安全保障への脅威となるか見極めることを強調する。
NPT締約国に、NPTに基づき義務を全うすることを求め、NPT非加盟国には、非核兵器国としてNPTに加盟するよう求める。
来年のNPT再検討会議がNPTを強化するものとなり、核不拡散・核の平和利用・核軍縮というNPTの3つの柱に現実的かつ達成可能な目標を設定できるよう、NPT加盟国に協力を求める。
すべての国に対し、核爆発実験をせず、包括的核実験禁止条約(CTBT)に署名、批准するよう求める。
兵器用核分裂性物質生産禁止条約(カットオフ条約)の早期交渉入りを求める。
核燃料サイクルへの多国間の取り組みに関する国際原子力機関(IAEA)の作業を奨励する。
IAEA追加議定書への署名や批准、履行をすべての国に求める。
NPTを脱退した国は、脱退以前のNPT違反について責任を負うことを確認する。
今回初めて安保理議長を務めたオバマ米大統領は「歴史的な決議だ」と意義を強調した。5常任理事国からはオバマ氏のほかロシアのメドベージェフ大統領、中国の胡錦濤国家主席、ブラウン英首相、フランスのサルコジ大統領の各首脳がそろい、鳩山首相を含む10非常任理事国の首脳らも出席した。
鳩山首相は「世界の指導者にぜひ広島、長崎を訪れて核兵器の悲惨さを心に刻んでいただければと思う」と呼びかけた。被爆国の責任として「日本は核兵器開発の潜在能力があるにもかかわらず、核軍拡の連鎖を断ち切る道を選んだ」と強調、北朝鮮の核問題に直面しながらも核軍拡競争には加わらない立場を鮮明にし、非核三原則の堅持を表明した。鳩山首相は英語で演説したが、国連の演説は通常は母国語で行なうので、日本語で演説すべきではなかったかという批判もあるが。内容は具体性があるとはいえないかもしれないけど、まあ良かったのでは。
―――――――――――――――――――――――――――
核不拡散・核軍縮に関する国連安保理首脳会合の決議(要旨)
(前文)
安全保障理事会は、核不拡散条約(NPT)の目標に沿って、核兵器のない世界に向けた条件を構築することを決議する。
すべての加盟国に軍縮に関する義務の履行や大量破壊兵器の拡散防止を求めた、92年1月31日の国連安保理首脳会議での声明を再確認する。
大量破壊兵器の拡散や運搬は国際的な平和や安全保障を脅かすことを再確認する。
NPTは核不拡散体制の礎で、核軍縮の追求や核の平和利用に不可欠な基礎だと強調する。
核兵器国による核軍縮の努力を歓迎する。
米ロの第1次戦略兵器削減条約(START1)後継に向けた交渉決定を歓迎する。
非核兵器地帯条約の締結に向けた取り組みを支持する。
09年の1874決議(対北朝鮮制裁決議)や08年の決議1803(対イラン追加制裁決議)を再確認する。
核テロの脅威に深刻な懸念を表明し、テロリストを利する核物質・技術支援を防ぐ効果的な措置をすべての国が取る必要性を認識する。
来年の核安全保障サミットの開催を支持する。
(本文)
核不拡散の義務を順守しない状況は安保理で問われることとなり、国際的な平和や安全保障への脅威となるか見極めることを強調する。
NPT締約国に、NPTに基づき義務を全うすることを求め、NPT非加盟国には、非核兵器国としてNPTに加盟するよう求める。
来年のNPT再検討会議がNPTを強化するものとなり、核不拡散・核の平和利用・核軍縮というNPTの3つの柱に現実的かつ達成可能な目標を設定できるよう、NPT加盟国に協力を求める。
すべての国に対し、核爆発実験をせず、包括的核実験禁止条約(CTBT)に署名、批准するよう求める。
兵器用核分裂性物質生産禁止条約(カットオフ条約)の早期交渉入りを求める。
核燃料サイクルへの多国間の取り組みに関する国際原子力機関(IAEA)の作業を奨励する。
IAEA追加議定書への署名や批准、履行をすべての国に求める。
NPTを脱退した国は、脱退以前のNPT違反について責任を負うことを確認する。
ドイツ連邦議会選挙でSDPが敗北 ― 2009/09/28
09年9月27日に投開票が行なわれたドイツ連邦議会の選挙で、メルケル首相が率いる保守のキリスト教民主・社会同盟(CDU・CSU)と右派の自由民主党(FPD)が過半数を獲得し、11年ぶりの中道右派連立政権が樹立されることになった。メルケル首相は続投、FPDのウェスターウェレ党首が外相に就任する予定。
CDU・CSUは前回より後退して史上2番目に低い得票率となったが、SPDがそれ以上の負けっぷりで11・2%減と史上最低の得票となったため、CDU・CSUとSPDの左右大連立政権が崩壊した。FPDがプラス4・8%、左翼党がプラス11・9%、90年連合・緑の党がプラス2・6%と小政党が躍進し、ドイツ政治が2大政党制といえるかどうか微妙になってきたわな。
大連立政権下で付加価値税の引き上げや、年金受給年齢の引き上げなどを行なって(結局SPDは反対に回ったが)、支持基盤である労組の反発を招き、アフガニスタンへの派兵でドイツ兵の死者が増えるなど、支持者離れが進んだためとも評されている。社会保障削減反対・アフガニスタン派兵反対を強く訴えた左翼党が躍進し、ドイツ政治の台風の目となった。
左翼党はシュレーダー政権の新自由主義的改革路線に反対してSPDを離党した左派グループが結成した「WASG(労働と社会的公正のための選挙オルタナティブ)」と旧ドイツ社会主義統一党を減収とする「左翼党-民主社会党」が、政党連合としての「左翼党」(2005年)を経て2007年に正式に合併した政党だ。
実は、僕は、左翼党党首のオスカー・ラフォンティーヌと握手したことあるのだ。1995年のJUSOS(SPDの青年組織)の大会に来賓で行ったときに、演説してたんだよね。左派色の強いJUSOSの中ではもともと人気があったけど、後から考えるとマンハイム大会を控えた時期で、SPD内の左派グループが盛り上がっていく時期だったんだな。とにかく絶大な人気で、演説後にJUSOSの代議員たちが我先に握手しに押し寄せるもんだから、僕もなんとなく紛れて握手してきたのです。
ちなみにマンハイム大会というのは、連邦軍の海外派兵を容認するなど現実路線をとったルドルフ・シャーピング党首に、ラフォンティーヌが挑んで党首の座を奪い取った1995年のSPD大会。現役の党首が続投を表明している中で、対立候補として立候補することはドイツでも「謀反」にあたり、異例中の異例。「謀反」が成功したのは戦後ドイツ政治では、マンハイムのラフォンテーヌのみとのことだ。
ちなみに同日に行なわれた旧東独ブランデンブルク、旧西独シュレスウィッヒ・ホルシュタイン両州でも州議会議員選挙が行われた。
ブランデンブルクはSPDが議席を減らしら第1党を維持したが、シュレスウィッヒ・ホルシュタイン州議会はSPDが得票を大きく減らし政権から外れる見通し。2大政党が振るわず、小政党が躍進したのは連邦議会選挙と同じ傾向だ。
なお、ドイツ連邦参議院は州政府の指名で構成されるため、州議会の選挙結果は連邦の政治に直結する。つまり参議院も保守中道が多数を占めることになったわけです。
■選挙結果(カッコ内は前回比) ■
●ブランデンブルク州
社会民主党(SPD) 31(-2)
左翼党 26(-3)
キリスト教民主同盟(CDU) 19(-1)
自由民主党(FDP) 7(+7)
緑の党 5(+5)
●シュレスウィッヒ・ホルシュタイン州
キリスト教民主同盟(CDU) 34(+4)
社会民主党(SPD) 25(-4)
自由民主党(FDP) 15(+11)
緑の党 12(+8)
左翼党 5(+5)
南シュレスウィッヒ有権者同盟(SSW) 4(+2)
※前回選挙(69議席)と比べて定数増
CDU・CSUは前回より後退して史上2番目に低い得票率となったが、SPDがそれ以上の負けっぷりで11・2%減と史上最低の得票となったため、CDU・CSUとSPDの左右大連立政権が崩壊した。FPDがプラス4・8%、左翼党がプラス11・9%、90年連合・緑の党がプラス2・6%と小政党が躍進し、ドイツ政治が2大政党制といえるかどうか微妙になってきたわな。
大連立政権下で付加価値税の引き上げや、年金受給年齢の引き上げなどを行なって(結局SPDは反対に回ったが)、支持基盤である労組の反発を招き、アフガニスタンへの派兵でドイツ兵の死者が増えるなど、支持者離れが進んだためとも評されている。社会保障削減反対・アフガニスタン派兵反対を強く訴えた左翼党が躍進し、ドイツ政治の台風の目となった。
左翼党はシュレーダー政権の新自由主義的改革路線に反対してSPDを離党した左派グループが結成した「WASG(労働と社会的公正のための選挙オルタナティブ)」と旧ドイツ社会主義統一党を減収とする「左翼党-民主社会党」が、政党連合としての「左翼党」(2005年)を経て2007年に正式に合併した政党だ。
実は、僕は、左翼党党首のオスカー・ラフォンティーヌと握手したことあるのだ。1995年のJUSOS(SPDの青年組織)の大会に来賓で行ったときに、演説してたんだよね。左派色の強いJUSOSの中ではもともと人気があったけど、後から考えるとマンハイム大会を控えた時期で、SPD内の左派グループが盛り上がっていく時期だったんだな。とにかく絶大な人気で、演説後にJUSOSの代議員たちが我先に握手しに押し寄せるもんだから、僕もなんとなく紛れて握手してきたのです。
ちなみにマンハイム大会というのは、連邦軍の海外派兵を容認するなど現実路線をとったルドルフ・シャーピング党首に、ラフォンティーヌが挑んで党首の座を奪い取った1995年のSPD大会。現役の党首が続投を表明している中で、対立候補として立候補することはドイツでも「謀反」にあたり、異例中の異例。「謀反」が成功したのは戦後ドイツ政治では、マンハイムのラフォンテーヌのみとのことだ。
| 09年9月 |
得票率(%)
|
議席
|
| SPD |
23.0(-11.2)
|
146(-76)
|
| CDU・CSU |
33.8(-1.4)
|
239(+13)
|
| FPD |
14.6(+4.8)
|
93(+32)
|
| 左翼党 |
11.9(+3.2)
|
76(+22)
|
| 90年連合・緑 |
10.7(+2.6)
|
68(+17)
|
ちなみに同日に行なわれた旧東独ブランデンブルク、旧西独シュレスウィッヒ・ホルシュタイン両州でも州議会議員選挙が行われた。
ブランデンブルクはSPDが議席を減らしら第1党を維持したが、シュレスウィッヒ・ホルシュタイン州議会はSPDが得票を大きく減らし政権から外れる見通し。2大政党が振るわず、小政党が躍進したのは連邦議会選挙と同じ傾向だ。
なお、ドイツ連邦参議院は州政府の指名で構成されるため、州議会の選挙結果は連邦の政治に直結する。つまり参議院も保守中道が多数を占めることになったわけです。
■選挙結果(カッコ内は前回比) ■
●ブランデンブルク州
社会民主党(SPD) 31(-2)
左翼党 26(-3)
キリスト教民主同盟(CDU) 19(-1)
自由民主党(FDP) 7(+7)
緑の党 5(+5)
●シュレスウィッヒ・ホルシュタイン州
キリスト教民主同盟(CDU) 34(+4)
社会民主党(SPD) 25(-4)
自由民主党(FDP) 15(+11)
緑の党 12(+8)
左翼党 5(+5)
南シュレスウィッヒ有権者同盟(SSW) 4(+2)
※前回選挙(69議席)と比べて定数増
労働情報全記録DVDが完成へ ― 2009/09/30
『労働情報』のすべての紙面をデータ化した『労働情報全記録DVD』のデータの整理を終えて業者に渡し、ようやく手を離れた。2週間程度でパッケージが完成する予定だ。
昨年急死した石田精一さんの追悼集会の利益の残りを有益に使おうということで年初から計画していたもの。労働情報紙の創刊準備号から直近の774号までのすべての紙面をスキャンしてPDFファイルにするという壮大な計画だ。事務局のイトウさんにコツコツ読み込みの作業をしてもらい、僕が整理して9月には完成すると予告していた。
いいわけをすれば、運悪く選挙やらその後の連立交渉やらと僕の仕事が立て込んでしまい、ずるずると遅れてしまった。「9月発売」としていたので、なんとか9月末に間に合わせたいと思っていたんだけど、10月にずれ込んでしまった。ごめんなさい。
774号分というのは結構な量。時期の区分の都合もあってDVDにして4枚というものになってしまった。増刊号、別冊に加えて、『労働情報』の前身ともいえる『週刊 労働情報』(1961年1月より6月の入手できた11号分)と『労働周報』(1967年4月1号より1969年3月45号迄、13号は欠番)のデータも、提供者のご厚意で付録として収録することができた。
スキャンしたデータをOCRしてテキストデータを貼り付けていくのに、ものすごい時間がかかってしまった。まあ作業はパソコンがやるので、僕は待ってるだけなんですけど。古い方は画像も汚れていて字も小さいので、読み取りの結果はかなり怪しいのだけど、新しい方はなんとか検索の役程度には立つでしょう。
60年代からの総評左派・反戦派労働運動の軌跡を記した戦後労働運動史の貴重な体系的な資料になっていると思う。準備の過程でこれは貴重だからもっと高く売っても良いのではとの声が強まってきたのだけど、そもそもの主旨から考えても、少数の人に高く売るより、手軽な値段にして多くの人に使ってもらうことが必要だろうということで、3万円という値付けとした。購読者は半額に。これを機に購読してもらっても半額です。1年購読しても1万円程度ですから非読者は購読とセットでお求めいただいた方がお得です。お求めは左のリンクから労働情報のHPに行き、ご連絡ください。
懸案が一つ片付いて、少しだけ肩の荷が下りたわ。
昨年急死した石田精一さんの追悼集会の利益の残りを有益に使おうということで年初から計画していたもの。労働情報紙の創刊準備号から直近の774号までのすべての紙面をスキャンしてPDFファイルにするという壮大な計画だ。事務局のイトウさんにコツコツ読み込みの作業をしてもらい、僕が整理して9月には完成すると予告していた。
いいわけをすれば、運悪く選挙やらその後の連立交渉やらと僕の仕事が立て込んでしまい、ずるずると遅れてしまった。「9月発売」としていたので、なんとか9月末に間に合わせたいと思っていたんだけど、10月にずれ込んでしまった。ごめんなさい。
774号分というのは結構な量。時期の区分の都合もあってDVDにして4枚というものになってしまった。増刊号、別冊に加えて、『労働情報』の前身ともいえる『週刊 労働情報』(1961年1月より6月の入手できた11号分)と『労働周報』(1967年4月1号より1969年3月45号迄、13号は欠番)のデータも、提供者のご厚意で付録として収録することができた。
スキャンしたデータをOCRしてテキストデータを貼り付けていくのに、ものすごい時間がかかってしまった。まあ作業はパソコンがやるので、僕は待ってるだけなんですけど。古い方は画像も汚れていて字も小さいので、読み取りの結果はかなり怪しいのだけど、新しい方はなんとか検索の役程度には立つでしょう。
60年代からの総評左派・反戦派労働運動の軌跡を記した戦後労働運動史の貴重な体系的な資料になっていると思う。準備の過程でこれは貴重だからもっと高く売っても良いのではとの声が強まってきたのだけど、そもそもの主旨から考えても、少数の人に高く売るより、手軽な値段にして多くの人に使ってもらうことが必要だろうということで、3万円という値付けとした。購読者は半額に。これを機に購読してもらっても半額です。1年購読しても1万円程度ですから非読者は購読とセットでお求めいただいた方がお得です。お求めは左のリンクから労働情報のHPに行き、ご連絡ください。
懸案が一つ片付いて、少しだけ肩の荷が下りたわ。
社民党政策セミナー2009 ― 2009/09/30
9月28日。今日は午前中は国土交通省で海賊対処の問題で副大臣のレクに同席。初めて合同庁舎の地下食堂で昼飯を食った。議員会館より安いぞ。
午後からは、党本部で政審政策セミナー。第一講は、阿部政審会長、辻元副大臣、重野幹事長などによるレクチャー「政審の運営、国会対応、政権サポート、臨時国会の課題」。第二講は早野透さん(朝日新聞コラムニスト)の「連立政権と社民党の役割」。第三講は孫崎亨さん(元防衛大学校公共政策学科長)の「日米関係とこれからの安全保障」。
早野さんは馴染みの深い新聞記者で、書かれた記事の内容も知られているのでまったく問題ないんだけど、孫崎さんはまったく馴染みがなく元防衛大学幹部という経歴もあって「(話す内容は)大丈夫か?」と注意されていた。防衛省関係の人を党のセミナーの講師に呼んで、田母神さんのような話をされたら君、責任問題だぞ、と。僕がたまたま孫崎さんの著作を読んで連絡してみたら、講師を快諾していただけたのだが、不安が無かったと言えばウソになる。
講演の内容は、「自衛のため」の軍事組織が国民的議論のないままに米国との「共通の戦略」のための軍隊に変質させられてきた実態を批判し、冷戦後の日本の安全保障政策の無策とあるべき姿について指摘されたものだった。「国を守るために命を懸けている自衛官の努力を正当に評価すべき」とはしながらも、国の安全は軍事力だけではなく外交や経済力など総合的な力で実現すべきだ、という至極真っ当な内容であった。内容は社会新報か月刊社会民主に掲載されるだろうと思うが、最近の著作(『日米同盟の正体~迷走する安全保障』講談社現代新著)もぜひ読んでもらえればと思う。ご本人も「私はハト派」とおっしゃっていたが、特に違和感なく受け入れられる内容だった。
平和についてはいつも厳しい山内議員なども「自衛隊には田母神さんみたいな人ばっかりいるのかと思っていたが、そうでもないらしい。今日の話はよかったよ」とおっしゃっていただけた。一安心。
普通なら、この後は夕食懇親会だが、今回は都合の悪い人が多くてナシ。翌30日は2日目。4講目、飯田哲也さんの「新政権における環境エネルギー政策の行方と期待」。5講目は2マス。5の1が厚労省から「雇用の現状と緊急雇用対策の焦点」、5の2が参院法制局2部2課長の小林仁さんの「今後の雇用政策の焦点」の予定。
午後からは、党本部で政審政策セミナー。第一講は、阿部政審会長、辻元副大臣、重野幹事長などによるレクチャー「政審の運営、国会対応、政権サポート、臨時国会の課題」。第二講は早野透さん(朝日新聞コラムニスト)の「連立政権と社民党の役割」。第三講は孫崎亨さん(元防衛大学校公共政策学科長)の「日米関係とこれからの安全保障」。
早野さんは馴染みの深い新聞記者で、書かれた記事の内容も知られているのでまったく問題ないんだけど、孫崎さんはまったく馴染みがなく元防衛大学幹部という経歴もあって「(話す内容は)大丈夫か?」と注意されていた。防衛省関係の人を党のセミナーの講師に呼んで、田母神さんのような話をされたら君、責任問題だぞ、と。僕がたまたま孫崎さんの著作を読んで連絡してみたら、講師を快諾していただけたのだが、不安が無かったと言えばウソになる。
講演の内容は、「自衛のため」の軍事組織が国民的議論のないままに米国との「共通の戦略」のための軍隊に変質させられてきた実態を批判し、冷戦後の日本の安全保障政策の無策とあるべき姿について指摘されたものだった。「国を守るために命を懸けている自衛官の努力を正当に評価すべき」とはしながらも、国の安全は軍事力だけではなく外交や経済力など総合的な力で実現すべきだ、という至極真っ当な内容であった。内容は社会新報か月刊社会民主に掲載されるだろうと思うが、最近の著作(『日米同盟の正体~迷走する安全保障』講談社現代新著)もぜひ読んでもらえればと思う。ご本人も「私はハト派」とおっしゃっていたが、特に違和感なく受け入れられる内容だった。
平和についてはいつも厳しい山内議員なども「自衛隊には田母神さんみたいな人ばっかりいるのかと思っていたが、そうでもないらしい。今日の話はよかったよ」とおっしゃっていただけた。一安心。
普通なら、この後は夕食懇親会だが、今回は都合の悪い人が多くてナシ。翌30日は2日目。4講目、飯田哲也さんの「新政権における環境エネルギー政策の行方と期待」。5講目は2マス。5の1が厚労省から「雇用の現状と緊急雇用対策の焦点」、5の2が参院法制局2部2課長の小林仁さんの「今後の雇用政策の焦点」の予定。

最近のコメント