安倍体制下で自民党憲法草案第2次案2006/09/05

次期自民党総裁=総理大臣就任が確実視されている、安倍晋三官房長官は自民党が05年10月に策定した新憲法草案を見直し、第2次草案をまとめる方針であることが明らかになった。9月3日のテレビ番組に出演した中曽根康弘元首相が「(安倍氏は)『もし天下を取ったら、第2次草案を考える』と言っていた」、「『第1次草案はまだ十分ではない。集団的自衛権の問題とかいろんな問題がまだある』と言っていた。前文も直そうということだろう」と発言したもの。10月の新憲法草案の前文を修正し、集団的自衛権の行使容認などを明確化する意向らしい。中曽根氏が当初まとめた復古調の表現が多い前文素案の内容を取り込む可能性もある。
安倍氏が本性を次第にむき出しにしてくることには、素朴な危惧を感じるし単純にムカッとするが、実は必ずしも悪いことではないかもしれない。ファシズムは微笑みながら来るより、ファシズムらしくやってきた方がよい。
どの世論調査を見ても憲法改正に対する関心はそれほど大きくなく、景気や雇用、税制、福祉など生活に関する課題の方にずっと大きな関心がある。その中であえて憲法改正を問われた場合に、憲法改正を是とする意見は増えているようだ。現状の社会に問題が山積しており、憲法を変えることが現状を変えるための一つの手段でありうることを考えれば、これはむしろ当然だろう。しかし、改憲を是とする世論の多くは具体的な改憲内容を踏まえた肯定ではなく、憲法を変えることで日本社会の問題を解決したいという、抽象的な変革の願いに過ぎないのではないか。
問題は変えるか変えないかではなく、どのようなものに変えるのかということだ。改憲の動きが強まり、世論の関心が憲法に向いていけばいくほど、いま行なわれようとする「改憲」への理解が広がり、「改憲」への批判が高まる可能性もある。僕自身、今の憲法を不磨の大典として後生守り抜こうなどとは思っていないし改憲自体は別にいいんですよ。少しでもよいモノに変えていくことは当然。第1章なんか削除して、天皇さんは文化財のようなモノになっていただけばよろしいと思っている。変えること自体が問題なのではなくて、今の具体的な「改憲」の方向性に対して、その内容に対して反対なのである。
米国が中東に「民主主義」を押しつけようとすればするほど、「非民主的」な宗教勢力が力をつける。それににた皮肉な結果になるかもしれない。

僧侶のビラ配布弾圧に無罪判決2006/09/05

 東京地裁は、8月28日、東京都葛飾区のマンションに共産党のビラを配布するために侵入したとして、住居侵入罪に問われていた僧侶・荒川さんに対して無罪を言い渡した。当然といえば当然だが、立川の防衛庁官舎へのビラ配布では高裁で逆転有罪判決(地裁は無罪判決、被告側が上告中)が出ていたことを考えれば、有罪判決の可能性も否定できなかった。注意した住民による民間人逮捕で、23日間にわたって拘置されたことだけでも、許し難い政治弾圧と言わざるを得ない。
 もしこれを犯罪だというなら、全てのビラを公平に取り締まるべきだ。うちのポストに自民党や公明党のビラを配布する者を全員逮捕して警察に突き出してやろうかと思っていたところだ。
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ナチスが共産党を弾圧したとき
私は不安に駆られた
が、自分は共産主義者でなかったから
何の行動も起こさなかった。

その次、ナチスは社会民主主義者を弾圧した
私はさらに不安を感じたが
自分は社会民主主義者でないので
何の抵抗もしなかった。

それからナチスは、学生・新聞、ユダヤ人と順次
弾圧の輪を広げていき
その度に、私の不安は増大した
が、それでも私は行動に出なかった。

ある日遂に、ナチスは教会を弾圧してきた
そして私は牧師だった
だから行動に立ち上がった
が、もうそのときはすべてが
あまりにも遅すぎた。
(マルティン・ニーメラー)

※マルティン・ニーメラー(1892~1984)はドイツの進学者で牧師。ナチスがドイツ・キリスト者(プロテスタント)に影響を及ぼし、ユダヤ出自の牧師を迫害するに及んで、牧師緊急同盟を設立、その後「ドイツ告白教会」の中心メンバーになる。ユダヤ人抹殺計画の主唱者ローゼンベルク襲撃に係わったとして逮捕され、ザクセンハウゼン強制収容所に収監された。ダッハウ収容所に収容中に米軍に解放され九死に一生を得た。