「戦争の親玉」2006/09/14

「戦争の親玉(Masters Of War)」は1963年のボブ・ディランの『Freewheelin' Bob Dylan』に収録。高石友也の訳詞が下。文化的バックボーンへの理解なしに、くだけた江戸っ子調の訳によってディランの誤像を広めたとの批判もあるようだけど、まあ日本ではこっちの方がなじみがあるかな。「風に吹かれて(Blowin' In The Wind)」とかの方がメロディーが馴染みやすいし有名だけど、「戦争の親玉」の露骨さは今の情勢にはあう気もするな。

僕は岡林信康で聞きました。岡林の『私を断罪せよ』ってアルバムに入っていて、これはTUTAYAとかにも並んでるし、アマゾンとかでも新品が買える。


「戦争の親玉」

爆弾を作る お前さんたち
壁のかげにかくれても
机の下にかくれても
あんたの顔はまる見えだ

おいらの世界を おもちゃのように
ひねくりまわし ただこわすだけ
いつかかくれてたまが飛んでくりゃ
雲をかすみに逃げるだけ

若者たちに引き金ひかせて
死人の数を数えてる
屋敷にかくれて 若者の血は
ただ大地に赤くしみこむ

名もつけられずに死んでいく子供
かたわのままで生まれる子供
そんな恐怖をまきちらす
おまえにゃ血なぞ流れちゃいない

あんたはおいらにきっと言うだろう
世間知らずと まだ若すぎると
でも一つだけ言えることは
人を殺すことはゆるせない

おれたちゃしっかり見とどけよう
おすら寒い夕暮れに
あんたが墓場に入る時を
おれたちゃしっかり見とどけよう

(ボブ・ディラン/訳詞:高石友也)