労働情報800号レセプション開く2010/10/16

あいさつする前田代表
 10月16日、文京区民センターにおいて、「労働情報800号記念レセプション」を開催。反貧困の集会やI女性会議の会合、労組大会の日程が重なるなど厳しい条件であったが、予想を超える148名の参加をえる大盛会となった。
 司会は柚木康子さん(昭和シェル労組)と関口広行さん(国労高﨑・交通ユニオン)が担当。前田裕吾代表のあいさつの後、来賓祝辞。中岡基明全労協事務局長、小田川義和全労連事務局長、朴南仁韓統蓮国際局長、文徳盛中国大使館参事から。系譜が異なる全労連事務局長が来たのは、おっ、という感じかな。
 沖縄から駆けつけていただいた安次富浩ヘリ基地反対協共同代表からの特別アピールの後、初代事務局長渡辺勉さんの発声で乾杯。カンカラ三線のフォークシンガー岡大介さんの歌とみさとやの料理を楽しみながら歓談。福島党首も多忙な日程の合間をぬって駆けつけてくれた。
 08年に共同代表だった石田精一さんが急死した後、一時は休刊すら真面目に検討されていたことを考えると、よくここまで生き残ってきたと感慨深い。今回、僕は古い写真をデジタル化してスライドショーを作る作業をして、いろいろな歴史が詰まっていることを実感したところでもあった。まだまだやれるぞ、「労働情報」。ガンバロー。

JR不採用問題が解決2010/06/28

解決礼状
 6月28日、JR不採用事件で和解が成立した。
 1987年の国鉄分割・民営化の際に、国労や全動労などの組合員1047人がJRに採用されず国鉄清算事業団(当時)に移行、90年4月には国鉄清算事業団からも解雇された。労働者側は闘争団を組織して抵抗。90年代には、国労などが各地の地方労働委員会に救済を申し立て、各地労委は相次いで87年にさかのぼって採用することなどをJR側に命令した。中央労働委員会も北海道や九州の事件で、①不当労働行為が一部成立しJRに責任ある、②「相当数」を3年以内に就労させろ、などとする救済命令を出した。
 こうした状況をうけ、社民党が労組側の意向を受けて自民党・公明党・保守党の(当時の)与党3党と協議し2000年5月、「JR不採用問題の打開について」(いわゆる「4党合意」)に合意。しかし、この「4党合意」の方向は労働者側にとって納得のいく水準とはならず、この受け入れをめぐり国労内が大混乱に陥る。3回の全国大会や全組合員一票投票を経て、2001年1月に4党合意に基づいて政治的解決をめざす新執行部が発足したが、結局、2002年12月には国労組織内の混乱を理由に与党3党が「合意」から離脱、四党合意路線は破綻した。2003年12月には、最高裁判決がJR側の使用者責任を否定した。
 この後、解雇された組合員らのうち約900人が、国鉄清算事業団を引き継いだ「鉄道・運輸機構」を相手に損害賠償などを求めていた裁判が、今回和解に至ったもの。政権交代で社民党が政権に入ったことによる、数少ない「成果」の一つといえるかもしれない。
 政権交代後に与党3党と公明党はJR不採用問題に関する協議を行ない、和解金を約2400万円とする解決案を3月18日に政府に提出。この内容は、遺族を含めて1人平均2406万5000円の和解金を910世帯に支払というもので、総額は218億9900万円。昨年の東京高裁判決で示された慰謝料550万円に23年分の金利1182万5000円、分割民営化時の離職者への就職支援金から算出した救済金1224万円を合計したものだ。
 これに政府側から異論が出て約200万円減額されたものが今回の和解水準。4党案が求めたJRへの約200人の雇用については政府は努力するが保証は出来ないとされ、不採用者が設立した18の事業会社に対する支援金10億円の支払も削られた。
 この政府解決案を、4月12日に4者(国労闘争団全国連絡会議、鉄建公団訴訟原告団、鉄道運輸機構争訟原告団、全動労争議団・鉄道運輸機構訴訟原告団)4団体(国鉄労働組合、全日本建設交運一般労働組合、国鉄闘争支援中央共闘会議、国鉄闘争に勝利する共闘会議)が正式に受け入れたのを受けて、前原大臣が(しぶしぶながら)旧国鉄(現・鉄道建設・運輸施設整備支援機構に引継ぎ)に、和解協議を行なうよう指示したのである。
 28日午前には、最高裁第3小法廷で那須弘平最高裁裁判長立ち会いの下和解調印式が行なわれた。1世帯当たり約2200万円の解決金は、和解に応じた904世帯で計約199億円に及ぶが、実際の支払額はこれまでの裁判で支払われた賠償金など約29億円を差し引いた約170億円。不採用問題について組合側は今後争わないとすること、原告と被告の間に今回の和解内容以外に債権・債務がないことを相互に確認した。
 なお、和解金は、旧国鉄職員の年金支払いなどに充てられている支援機構の特別会計「特例業務勘定」の1兆3000億円の利益剰余金から支払われる。
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【鉄道・運輸機構といわゆる1047名問題の原告904名との間の最高裁における和解の内容(概要)】


1、解決金の支払いl ・鉄道・運輸機構は原告側に対し、解決金として、総額約170億円(注)を、平成22年6月30日限り支払う。
(注)平成22年4月9日に四党から申し入れのあった解決案に沿った金額約199億円から、原告側がこれまでの判決に基づき鉄道・運輸機構から支払いを受けた金額約29億円を差し引いた金額

2. 訴えの取下げ
・原告側は、平成22年6月30日限り、各訴えを取り下げる。
3. 請求の放棄、将来の不係争、債権債務の不存在
・原告側は、鉄道・運輸機構に対するその余の詰求を放棄する。
・原告側は、国鉄改革に伴うJRへの不採用に関する不当労働行為及び雇用の存在について、鉄道・運輸機構に対して今後争わない。
・鉄道・運輸機構及び原告側は、その他本件に関し何らの債権債務のないことを相互に確認する。
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いわゆる1047名問題に関する和解の成立について


平成22年6月28日
国土交通大臣談話

1、本日、最高裁判所において、鉄道・ 運輸機構といわゆる1047名問題の原告のうち904名との間で、裁判上の和解が成立いたしました。

2、この問題については、本年4月9日、民主党、社会民主党、国民新党及び公明党の四党から、人道的観点からの解決案について申し入れがありました。
 政府としては、同日、四者・四団体(原則原告団910名全員)が、次の事項について了解し、その旨を正式に機関決定することを条件として、これを受け入れることを表明しました。このことは、四党も了解されたところです。
① 解決案を受け入れること。これに伴い、裁判上の和解を行い、すべての訴訟を取り下げること。
② 不当労働行為や雇用の存在を二度と争わないこと。したがって、今回の解決金は最終のものであり、今後一切の金銭その他の経済的支援措置は行われないこと。
③ 政府はJRへの雇用について努力する。ただし、JRによる採用を強制することはできないことから、人数等が希望どおり採用されることは保証できないこと。
 その後、5月17日、四党から、原告のうち904名について、それぞれこの条件について了解し、受け入れることを承諾する旨の文書が提出されたことを受け、5月18日には、政府としてこの解決案を正式に受け入れ、同日、私から鉄道・運輸機構に対し、この解決案に沿って問題の最終解決を図るべく、裁判上の和解を行うよう指示していたところです。

3、今回の和解の内容は、四党から申し入れのあった解決案及び政府と四党で了解した解決案受け入れの条件に沿ったものです。6月30日には、鉄道・運輸機構から原告に対し解決金が支払われるとともに、原告は訴訟を取り下げることとなります。

4、四党から解決案について申し入れがあった際にも申し上げましたが、国鉄改革は、経営が破綻した国鉄を分割民営化することにより、その鉄道を我が国の基幹的輸送機関として再生することを目的とした戦後最大の行政改革と認識しており、23年以上を経た今日、国鉄改革は、国民に対して大きな成果をもたらしたものと考えております。
 しかし、一方で、国鉄改革は、約7万4千人の方が鉄道の職場を去り、鉄道の職場に残られた方々でも、約5400人の方々が北海道、九州を離れ、本州の地で生活を始めなければならなかったなど、大きな痛みを伴いました。国鉄改革は、こうした方々のご理解とご協力、そして現在まで続くご労苦の上に初めて成り立ったものであり、改めて深く敬意を表します。

5、こうした中、本問題は、当時の国鉄によるJRへの採用候補者名簿不登載に端を発し、最終的に平成2年4月1日に国鉄清算事業団を解雇された方々と国鉄清算事業団(現鉄道・運輸機構)との間で争われてきたものです。解雇から20年以上が過ぎた今、多年にわたる争いがほとんどの原告との間で終結したことは、人道的観点から喜ばしいことであります。

6、国土交通省としては、今後とも、未だ完全民営化を果たしていないJR三島会社(JR北海道・四国・九州)やJR貨物の経営の自立をはじめ、国鉄改革に関する未解決の課題への取組みを強化し、その完遂に全力を挙げてまいります。

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 JR不採用事件は戦後最大の労働問題とも言われ、国際労働機関(ILO)からもたびたび「公正な解決」が勧告されてきた長年の課題であった。
 今回の和解は、不当労働行為自体を問わず金銭で解決するもので、その水準も23年間の苦労を考えると決して十分なものとはいえない。名誉回復もあいまいだし、再雇用についても「政府が努力する」としたのみで何も担保されない。これを受け入れたのは23年の闘いに疲れ、原告が高齢化する中での苦渋の選択だろう。原告のうち6人は和解に加わらず引き続き争う意向だという。
 不当労働行為をやった旧国鉄幹部や、やらせた政府の責任は一切問わず、JRに雇用されず気の毒なのでお金をあげましょう、というのはやっぱ納得はいかないわなー。結局、「ヤリ得」にになってしまう。それでも、ここで一応の解決にこぎ着けたことはよかったと言わざるをえない。正直いって、このまま何年も戦い続けても、たぶん今回以上の地点に到達することは出来なかっただろうし、闘争団にダメモトで永遠に闘い続けろというわけにはいかないよ。JRは、せめて雇用くらいはちゃんと対応してもらいたいもの。
 国鉄分割民営化当時は僕は大学生で、中曽根反動攻勢と闘わねばと思って、よく国労支援の集会にも行ったものだった。あまりにも露骨でヒドイ、と。でも、時が過ぎるにつれ怒りも風化し、その後主体的に関わることなしに、被解雇者たちの闘いをを横目で見てきたというのが正直なところ。23年間の当事者やその家族、支援関係者のご苦労を思うと本当に頭が下がるわ。
 中曽根内閣の行革路線の核とされた国鉄改革は、明らかな国家的不当労働行為だったし、総評・社会党ブロック解体を意図したものであったことは、後に中曽根元首相も認めている。国労解体は、現在の社に民党のていたらくに至る道のはじまりであったことを考えると、23年目のこの解決は感慨深い。

メーデーに行きました。2010/04/29

メーデーテーマパークを回る森原さん
 連合主催のメーデーに行った。第81回連合メーデー。
 社民党も全国連合、都連合、事務局小委員会、印刷センター労組、衆参の秘書会、社文会館労組、労大出版センターでメーデー実行委員会(実行委員長:吉泉秀男・組織局労働担当常幹)を一応作って、毎年参加している。
 会場に集まってくる参加者にビラとティッシュを配ってから、中央大会に参加、テーマパークに出店して出版物やら蜂蜜やらを売る。
 僕もだいたい毎年参加しているところ。今年は主催者発表で3万2千人が参加。見た感じは去年より微増くらいかと思ったけど、去年の主催者発表の参加者は3万6千人だから少し減ってんだな。
 今年は参議院選挙を控えているので、福島党首(予定候補)と保坂予定候補、新たに東京選挙区への出馬が決まった森原秀樹予定候補が街頭演説し、テーマパーク会場を回った。とくに森原さんは事実上の初めての街頭だ。多少は緊張していたようだが、まずまず。

国家公務員の政治活動規制を見直せ2010/03/29

 3月29日。2003年11月の衆院選前に「しんぶん赤旗号外」などを配布したとして国家公務員法違反(政治的行為の制限)に問われた旧社会保険庁の職員の控訴審で、東京高裁は地裁判決を破棄し逆転無罪を言い渡した。
 06年6月の東京地裁判決は、国家公務員法の政治的行為の制限と制限行為を具体的に定めた人事院規則の規定を合憲とした74年の最高裁判決を踏襲し「公務員の政治的中立性を著しく損なう」として、罰金10万円、執行猶予2年の有罪判決を下していた。
 東京高裁の中山隆夫裁判長は「政党機関紙配布が行政の中立的運営を侵害するとは考えられず、罰則適用は国家公務員の政治活動の自由に必要限度を超えた制約を加えるもので、表現の自由を定めた憲法に違反する」と違憲判断を示した。国家公務員法と人事院規則自体は合憲としたが、最高裁判決が政治的行為の禁止について勤務時間の内外や職種を限定していないことについて「不必要に規制が広すぎる」と指摘。被告の職務が、社会保険事務所で年金相談に回答するという裁量の余地がなく、管理職でもない点、機関紙を配布した日が休日だった点などをあげ、「職務とかかわりなく政党機関紙を配布しても行政の中立的運営が損なわれる危険はない」と判断した。国家公務員の政治的行為についても「刑事罰の当否を含め再検討されるべきだ」と踏み込んでいる。
 確かに公務員の政治的中立は必要だが、休日に、職務と無関係に、公務員であることを明かさずに行ったにすぎないビラまきが、「国の行政の中立的運営や国民の信頼の確保を侵害するとは考えられない」という判断はまったく正当。これを処罰することが「国家公務員の政治活動の自由にやむを得ない限度を超えた制約を加えるもので、憲法21条などに違反する」と結論付けた判決内容は画期的なものといえる。
 立川自衛隊宿舎イラク反戦ビラ入れ事件では、地裁の無罪判決を覆して、東京高裁が住居侵入罪で有罪判決(05年12月、一審の地裁判決は無罪)を下すなど、体制に対して批判的な言論・表現活動への弾圧が相次いでいたなかで、流れを変える画期的な判決だ。そもそも日本の国家公務員に課されている政治的行為の禁止は、諸外国と比べ広範であり厳格だ。表現の自由の過度な規制は民主主義の根幹に係わる問題であり、せめて地方公務員なみに緩和すべきではないか。
 ちなみに、地方公務員は地公法36条によって一定の政治的行為が禁止されているが、その範囲は国公法よりも狭く罰則の規定もない。

1974年の最高裁判決(猿払事件最高裁判決)
 最高裁は74年11月、猿払事件、徳島郵便局事件、総理府統計局事件の3事件について判決を下した。その内容は、
・国家公務員法第102条第1項、人事院規則14-7は憲法第21条に違反しない。
・同法第110条第1項第19号の罰則は憲法第21条、第31条に違反しない。
・同法第102条第1項の人事院規則への委任は、憲法に違反する立法の委任ではない。
 たとえ非管理職の現業公務員であって、職務内容が機械的労務の提供にとどまるものであり、勤務時間外に、国の施設を利用することなく、職務を利用せず、職務の公正を害する意図がなく、労働組合活動の一環として行なわれた場合でも、国家公務員法第110条第1項第19号の違法性を失わせるものではない。このような事件に同法、同規則を適用しても憲法第21条、第31条に違反しないとして3事件の被告人らを逆転有罪(いずれも反対意見あり)とするものであった。

八ツ場ダム予定地に行った2009/11/08

国道付け替え橋の橋梁
 11月7日~8日、労働情報の三役で川原湯温泉に行ってきました。他の人は車で昼から行っているんだけど、僕は笠原さんの偲ぶ会があったので、夜に合流。笠原さんの会を早めに抜けさせてもらって、バイクで関越を一直線で約3時間。到着は9時で、すでに夕食は片付けられ、巨大おにぎりが遺されていました。結局、夜を徹して飲み且つ議論をしたので、駆けつけて良かったのですが。
 川原湯温泉というのは、今や注目の八ツ場ダム建設予定地にある温泉。ダムが出来ると沈んじゃうところなのです。8日は、せっかくなので吾妻渓谷とやんば館に。紅葉の最盛期は過ぎていたのだけど、吾妻渓谷って本当にきれいなところ。行ってみれば、これをダムに沈めちゃう(※吾妻渓谷の水没は一部)なんてトンでもない、って一瞬で理解できる。川原湯温泉も、想像していたよりずっと立派な温泉だ。ダムに沈めて平気だというのだから、もっとずーっと寂れた小さなところかと思っていた。こりゃダメだよ。
 これだけの自然環境と、人々の暮らしや歴史を、沈めてしまうというなら、相当の必然性が無いとダメでしょう。もちろん、ずーっと反対してきたけど国がごり押しして、しょうがないから渋々受け入れたら、こんどは勝手に止めますなんて、フザケンジャネーヨ、っていう人の気持ちもよく分かるけど。ここは、そういう経緯は経緯として、ここを本当にダムに沈めてしまってよいのか、本当にそれがどうしても必要なことなのか、他に手立てはないのか、公平に検証するべきだ。僕は、ダムについて専門的な知識はないけど、少なくとも素人目には、治水にしても利水にしても、この犠牲を払うほどの切迫性があるとは思えない。
 いずれにしても国のダム計画の翻弄されてきた人々に対する補償は当然しなくてはならないだろう。すでに移転した人でも希望する人には最低でも現状復帰まで保証すべきだし、希望しない人も新しい環境での生活の安定がえられるよう支援する必要がある。現状維持の人にも十分な慰謝と、ダム計画によって新規の投資が行なわず生活基盤が劣化していることを考慮して補償していくことが必要だ。それでも、本当に切迫した必要性がないのなら止めた方がいいよ。失うものが大きすぎる。とりあえず、そう思いました。
 どうも、皮肉なことに話題のスポットなっているようだ。やんば館という展示施設は、以前はたまにトイレを使いに寄る人がいる程度の状態だったそうだが、この間注目を浴びた結果で、大混雑していた。自治体議員のバッチをつけたオッサンたちを乗せたバスとか「共産党」ってプレートをつけたバスがぞろぞろ集まってきて、何だかな~と思った。まあ、よく考えてみれば、自分たちも物見遊山の域を出ないわけだからまったく同じなんだけどね。

団結祭りに行く2009/10/25

団結祭り
 「団結なんてイヤ」だと渋る子どもを「お祭りだよ」となだめすかして、団結祭りに行く。なにしろ会場の木場公園のすぐそばに住んでいるので、顔くらいは出さないとと思って。団結祭りというのは国鉄民営化でクビを切られた労働者の闘いに連帯して、毎秋に開いているイベントで今年で23回めとのこと。まあ、実際にお祭りみたいなものなんだけど。
 正式名称は「勝ち取ろう国鉄労働者1047名の解雇撤回!つくりだそう戦争と貧困のない社会を! 10・25団結まつり」。例年亀戸中央公園でやってたんだけど、今年は工事中で使えないとかで木場公園に移ったらしい。政権が代わって、政治解決に向けた期待が高まる中で、気合いを入れて団結しなくては。実際は午前中が雨、会場が変わったこともあってか、人出は予想よりやや寂しい雰囲気だったが、旧知の人ともたくさん会えたし、まあ団結出来たかな。
 その後、子どもがぐずるので片付けも手伝わずに抜け出して、南砂までボーリングに行く。子どもがいると希望するとガーター防止の柵を持ち上げてくれるので、子どもと母親は結構いい勝負をしてました。もちろん僕は圧勝ですが。

労働情報全記録DVDが完成へ2009/09/30

石田精一さんを偲ぶ会
 『労働情報』のすべての紙面をデータ化した『労働情報全記録DVD』のデータの整理を終えて業者に渡し、ようやく手を離れた。2週間程度でパッケージが完成する予定だ。
 昨年急死した石田精一さんの追悼集会の利益の残りを有益に使おうということで年初から計画していたもの。労働情報紙の創刊準備号から直近の774号までのすべての紙面をスキャンしてPDFファイルにするという壮大な計画だ。事務局のイトウさんにコツコツ読み込みの作業をしてもらい、僕が整理して9月には完成すると予告していた。
 いいわけをすれば、運悪く選挙やらその後の連立交渉やらと僕の仕事が立て込んでしまい、ずるずると遅れてしまった。「9月発売」としていたので、なんとか9月末に間に合わせたいと思っていたんだけど、10月にずれ込んでしまった。ごめんなさい。
 774号分というのは結構な量。時期の区分の都合もあってDVDにして4枚というものになってしまった。増刊号、別冊に加えて、『労働情報』の前身ともいえる『週刊 労働情報』(1961年1月より6月の入手できた11号分)と『労働周報』(1967年4月1号より1969年3月45号迄、13号は欠番)のデータも、提供者のご厚意で付録として収録することができた。
 スキャンしたデータをOCRしてテキストデータを貼り付けていくのに、ものすごい時間がかかってしまった。まあ作業はパソコンがやるので、僕は待ってるだけなんですけど。古い方は画像も汚れていて字も小さいので、読み取りの結果はかなり怪しいのだけど、新しい方はなんとか検索の役程度には立つでしょう。
 60年代からの総評左派・反戦派労働運動の軌跡を記した戦後労働運動史の貴重な体系的な資料になっていると思う。準備の過程でこれは貴重だからもっと高く売っても良いのではとの声が強まってきたのだけど、そもそもの主旨から考えても、少数の人に高く売るより、手軽な値段にして多くの人に使ってもらうことが必要だろうということで、3万円という値付けとした。購読者は半額に。これを機に購読してもらっても半額です。1年購読しても1万円程度ですから非読者は購読とセットでお求めいただいた方がお得です。お求めは左のリンクから労働情報のHPに行き、ご連絡ください。
 懸案が一つ片付いて、少しだけ肩の荷が下りたわ。

原爆症認定訴訟で原告が18連勝2009/05/28

原爆症認定を求める被爆者たち
原爆症の認定を却下された東京都と茨城県の被爆者30人(すでにうち14人が死亡)が、国に処分取り消しと損害賠償を求めた東京第一次訴訟の控訴審で、東京高裁(稲田龍樹裁判長)は新たに9人を原爆症と認定する判決を下した。08年4月からの「新基準」でも認定されなかった10人のうち9人が原爆症と認められた。
原爆症の認定は、被爆者手健康手帳を持つ人のうち原爆症認定者が1%に満たないという現実離れした厳格な運用が長年にわたって行なわれてきた。03年、認定を却下された被爆者らがその処分取り消しを求めて全国17地裁に集団で提訴。国が連敗を重ねる中で、厚労省は08年にようやく認定基準を緩和したのである。
しかしこの「新基準」によってもなお認定されない被爆者が少なくなく、訴訟が続いてきた。現在も全国で343人(遺族含む)が全国の地・高裁、最高裁で係争中。新基準でも認定されない被爆者を救済する司法判断が続いている。
河村官房長官は東京高裁判決を受けて、認定基準のさらなる緩和を検討する考えを示したようだが、当然だ。ヒロシマ・ナガサキの地獄のなかを生き延びた被爆者を、64年たってなお苦しめる官僚的対応はまったく度し難い。個々の被爆者の条件にケチをつけ執拗に争い続ける姿は、時間稼ぎをして被爆者が死に絶えてしまうのを待っているかのようにも見える。
高齢の被爆者には時間がない。国は直ちに全員を救済し、被爆者の皆さんに少しでも安心して生活をしてもらえるようにするべきだ。麻生首相がマンガしか見ないのならせめて『はだしのゲン』でも読んでみたらどうか。被爆国のトップとして最低限の責任は果たして欲しいものだ。