第47回護憲大会(宮﨑)に行く2010/11/09

開会総会
 11月6日~8日まで、宮崎市で開かれた護憲大会に参加してきた。「韓国併合100年・安保50年東アジアに新たな平和と友好を――憲法理念の実現を目指す第47回護憲大会」。全国から2500人が参加したとのこと。宮崎での開催は初めて。護憲大会は、例年、憲法が公布された11月3日に絡めて開催されるのだけど、今年は曜日の都合で6~8日になったようだ。
 今年はすでに政審の予算が尽きてしまったらしいので、参加は厳しいかなーと思っていたのだが、党首随行兼任で行かせてもらうことになった。福島党首は宮崎出身ということが知られていて、宮崎では結構人気がある。その宮崎で護憲大会を開くのだから行かないわけにはいかないのだ。
 開会総会はサンホテルフェニックス国際会議場。オープニングは地元日南市の民謡三姉弟歌と、延岡市出身の双子デュオ「#SOAR」の歌。江橋崇平和フォーラム代表のあいさつ、小沼新地元実行委員長のあいさつ。連帯あいさつは山本幸司連合副事務局長、川内博史衆議院議員(民主党)と福島党首。なぜか吉泉秀男衆議院議員が一般参加している。来年の護憲大会が山形開催の予定なので、様子を見に来たのかな。
 開会総会後のシンポジウムは、川内博史衆議院議員と服部良一衆議院議員、ピースデポ代表の湯浅一郎氏。党首はこの日は市内の実家に泊まり、翌日はお父さんの墓参りとのこと。随行の任務はここまで。
 7日は市内各所に分散して分科会と「ひろば」、フィールドワークなど。8日は閉会総会をして解散といういつものパターン。

領土問題は難しい2010/11/10

 尖閣諸島沖の中国漁船衝突問題(9月7日)、ビデオ公開の問題も加わって複雑化している。そもそも尖閣問題どうすんだ、もっと踏み込んだ方針を示せとせっつかれるが、なかなか一発解決の妙案はない。
 領土問題っていうのは難しい。一歩間違えば、「ナショナリズム」を相互にエスカレートさせてコントロールが効かなくなる。過剰に譲歩したように見えれば批判の的になることがわかっている。しかし典型的なゼロサムゲームだから、強硬一辺倒では落としどころは見つからない。強硬対応の応酬をしていけば行き着く先は戦争だ。
 ちなみに日本政府は尖閣は固有の領土で領土問題は存在しないという立場で、私らもこの立場を支持しているわけなんだけど、「領土問題はない」と言ったって、それを認めない国があるのだから無視して済むわけではない。
 中国漁船衝突の直後の9月15日、ロシアとノルウェーは、バレンツ海・北極海について国境線を画定する合意文書に調印した。お互い譲り合って合意したことで、資源開発に乗り出すことが可能となった。この問題は1970年、旧ソ連時代から40年間にわたる領有権争い。世界にはこうした領有権紛争がゴマンとある。
 例えば有名どころでは、アイルランドをめぐるイギリスとアイルランド。カシミールをめぐる印パ、中国。ゴラン高原をめぐるシリアとイスラエル、ナゴルノ・カラバフをめぐるアゼルバイジャンとアルメニア等々。マレーシアサバ州をめぐるフィリピンの主張。ハンス島をめぐるカナダとデンマークの領有主張。ジブラルタルをめぐるイギリスとスペインなど、主要国間で長年続いている紛争も少なくない。
 日本に直接関わるのは尖閣諸島、竹島、千島列島(北方領土)だが、宗教を背景に長年の血で血を洗う抗争を経験してきたパレスチナやアイルランド問題などと比べれば、深刻度はずっと低いはずだ。中でも尖閣諸島は現住民がいないのだから、権益を確保しながら互いの利益を得られる妥協点を探せばよい。ただ、ナショナリズムが加熱した状況下では、冷静な議論ができないので、環境を見定めながら進める必要がある。その意味では、とりあえず棚上げして、議論のタイミングを探ることがよいと思うが、こうした主張は「弱腰」と受け止められるおそれもあるので難しい。もちろん棚上げにするとして永遠ではなく、その間も主張すべきは主張しておく必要があることは当然である。
 いずれにしても、国境を接する国の間で、領有をめぐる争いや議論があることはむしろ当たり前のことだ。こうした意見の相違を長い時間をかけて解決をしてきた。失敗すると泥沼の混乱に至る。僕らが肝に銘じるべきは、とにかく頭を熱くして軍事的な対応に流れるようなことがあってはならないということだ。
 ところで、国内でも深刻な領土問題がたくさん残っている。東京新聞(11月8日朝)によると、江東区と大田区の間の埋め立て地(中央防波堤周辺/現在377ヘクタール・将来989ヘクタール予定)をめぐる領土紛争が激しくなっているらしい。1973年から江東区が建築確認などの行政事務を暫定的に担い「実効支配中」。江東区が「埋め立て工事車両の渋滞や騒音に耐えてきた」と訴えれば、大田区は「のり漁場を放棄した場所」と反論し、互いに「歴史的経緯」を主張しているという。2002年までは品川、港、中央の3区も帰属を主張していた。江東区は9月28日、「歴史的経緯を踏まえれば、本区へ帰属することが当然」とする意見書案を区議会に提出。大田区は翌29日に「大田区に帰属すべきもの」との主張を加えた意見書を区議会に出し、互いに譲る気配はない。かつて、お台場の帰属をめぐっても5区が争い、都の自治紛争調停で解決した経緯もあったっけ。
 蔵王山の県境(山形県と宮城県)が裁判で争われ、30年かけて1990年代半ばにようやく解決した。廃藩置県以来の争いであった十和田湖の青森県と秋田県の争いは2008年8月に137年を経てようやく確定。富士山山頂の帰属をめぐる静岡県の争いはまだ係争中だ。 都内だけでも、東京高速道路部分の中央区・千代田区・港区、荒川河口部の江東区・江戸川区、鳥島をはじめ10カ所程の区境は未確定だ。時に、厳しいやりとりもあるが、それなりにコントロールしながら少しずつ合意点を見いだしたり、当面棚上げのまま現実的に対処したりしているのである。
 自治体間の境界と、国と国の境界では話が違うが、権力や権限の境界を引くというのはなかなか難しい作業だということでは同じ。焦らず、拙速に短絡的な手段に流れることなく、ゆったり構えて、最適の解を見つけていくしかないと思うのだが…。

赤ちゃんがやってきた2010/11/14

わたるといいます
 11月9日、義妹が子どもを産んだ。赤ちゃんは小さいなぁ。5日ほど入院して、14日にうちに来た。義妹と子どもの世話をするために、義母も来た。産後の養生の為にしばらくうちで暮らす。義姉の家の家で産後を過ごすというのはめずらしいらしいが、実家は遠いし、すぐに実家に行ってしまうと義弟が赤ちゃんと接する機会が制限されてしまうので、近くに住んでいて、空き部屋があるうちに来ることになった次第。
 別にいいんだけど、赤ちゃん以外は全員が女で、かなり姦しい感じ。しばらく片隅に追いやられる気分だが、まぁいいのだ。私には赤ちゃんを手なずけてしまうという野望があるのだ。産まれてすぐのころから、おじさんへのシンパシーを植え付けるのだ。無理かなぁ。

司法修習給費制の廃止1年延期2010/11/18

 司法修習生の給費制廃止を1年延期することが決まった。18日、民主・自民・公明幹事長が合意。先月末に一度決まりかけたが、自民党内がまとまらなかった。「もはやこれまで」というあきらめ感が漂っていたが、滑り込みセーフという感じ。24日にも衆院法務委員会で委員長提案で可決する見込みだ。
 今月1日に給費制を廃止するための裁判所法一部改正が施行され、いったん廃止となった後も、若い修習生や法科大学院生たちが議員会館の前で粘り強くアピールをしていたけど、本当によかった。今年の司法試験合格者の修習が始まる11月27日までに成立すれば、実害は生じずにすむ。
 自民党が「民主党内がまとまっていない」という理由で反対したことからも分かるように、実は民主党内もまとまっていない。社民党も国民新党や新党日本に給費制の継続を持ち出したが、同意を得られなかった。法曹は「権利の守り手」であり公共的・公益的役割果たせるよう経済的な保障をしろという主張は、なかなか他の職種からの理解を得られないのだ。公共的・公益的な仕事は法曹だけじゃないだろう、他の公共的・公益的な職業資格を得るためにも給費しろよ、とか言われてしまう。
 私自身は給費制度を断固維持すべきという立場だが、正直いって遅すぎると思っていた。給費制度の廃止・貸与制への切り替えはすでに2001年6月の司法制度改革審議会意見書に明記されており、日弁連もパッケージで合意している。司法制度推進委員会には日弁連も入り、法曹三者の合意の下で司法制度改革・法曹養成制度改革に取り組んで来たのだ。給費制廃止を決めた04年6月の司法制度改革推進本部事務局法曹養成検討会には日弁連も入っている(ただし川端弁護士は少数意見を付した)。
 当初は新たな法科大学院卒の最初の司法修習生が生まれる06年から貸与制に切り替える予定であったが、法科大学院生や修習生の反対運動もあって今年まで延期されていたもの。日弁連本体がきちんと反対しようとすれば十分な時間があったはずなのだ。
 実際には、今年の4月に宇都宮健児弁護士が日弁連会長に就任して執行部の体制が変わり、日弁連の方針が変わったためなのだが、他の関係者が「いまさら言われても」となるのはそれはそれで理解できる。弁護士側として取るものは取っているわけだから。司法制度改革全体のパッケージからいいとこ取りするなよと。
 それにしてもよかったです。でも、これはとりあえず一息という程度に過ぎません。廃止が1年延期されただけで、来年に困窮者への返済免除などの措置を講じたうえで貸与制に移行する予定は変っていないのです。現実的には来年度予算案が出来る本年末前に、廃止の廃止を勝ち取りたいところ。来年の秋になって反対してもダメですよ。日弁連様、お願いします。
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■参考:04年夏頃の反対運動用に作りました
司法修習給費制度に関する要請

 政府は、司法修習生に給与を支給する制度(給費制)を廃止する方向を固め、今秋の臨時国会に関連法案が提出される予定と伝えられています。これは、質の高い法曹を多数養成し、法の支配を社会の隅々に行き渡らせるという、司法制度改革の理念に完全に逆行するものであり、容認できません。
 そもそも、給費制度は修習生の生活を保障することによって修習に専念させ、高度の専門的能力と職業倫理を兼ね備えた質の高い法曹を養成することが目的です。兼職も禁じられ、多くの修習生が給費なしには生活を維持することすら困難です。司法修習生が生活の保障なしに極めて多岐にわたる課題の修習を全うすることは不可能であり、医師養成の分野において研修医を研修に専念させるため国費投入の必要が議論されていることを見ても、時代に逆行するものといわざるを得ません。このような重大な制度変更が、当事者が不在のまま密かに決めらていくことに、私たちは強く反対するものです。 給費制に代えて貸与制度を設け無利子で貸し付けること、裁判官か検察官に任官した場合に返済を免除すること、などが検討されているようですが、すでに法科大学院の高額な学費を負担している修習生にとって、さらに莫大な借金を負うことは容易ではありません。給費制の廃止は、経済的に恵まれた条件にない者を法曹から事実上排除し、人材の多様性を失わせることが明らかです。また、任官者のみ返済を免除するとの発想は、弁護士の公的側面を軽視するものであり、法曹三者間の統一・公平・平等の理念に基づく司法修習を変質させ、法曹の在り方に重大な変質をもたらすことでしょう。
 国は、司法制度改革を実現するために必要な財政上の措置を講じることが義務付けられているのであり(司法制度改革推進法6条)、財政的事情から司法修習生の給費制を廃止することはまさに本末転倒であります。司法制度改革の本来の趣旨をふまえ、司法修習生への給費制度を堅持し、法曹養成のあり方を検討するにあたっては、司法大学院生、司法受験生など当事者の意見を十分に踏まえたものとすることを要請します。

司法制度改革推進本部本部長 小泉純一郎 殿

わたしたちは、次のことを求めます。
1、司法修習生への給費制度を堅持すること。
2、法曹養成のあり方を検討するにあたっては、司法大学院生、司法受験生など当事者の意見を踏まえること。

※主体は有志
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司法修習給費制度の廃止について

●司法修正給費制度とは

 司法修習生に対する給費制は、現行裁判所法が成立した1947年、法曹一元の理念のもと統一修習制度が開始されたことにともない、司法修習生の経済的自立を保障し、司法修習に専念することを可能にする制度として導入されたものである。現在、年間330~360万円が給与として支払われている。
 給費制の在り方を検討すべきとした司法制度改革審議会意見書(01年6月)に対し、財務省の財政制度等審議会が「平成16年度予算編成の基本的考え方について」(03年6月)の中で給費制の早期廃止を提言するなど圧力を強め、03年7月には司法制度改革推進本部法曹養成検討会において「貸与制への移行という選択肢も含めて柔軟に検討する」との座長とりまとめを行なうに至った。04年6月の検討会で、給費制廃止・貸与制導入の方向で意見をまとめた。
 政府は、これを受け新司法試験合格者の修習が始まる06年度から、給費制を廃止し貸与制を導入する方針である。新たに貸与制を導入し、現行の給付額を目安に無利息で貸し付けること。返済は10年程度で、裁判官や検察官など公益性の高い職種についた場合は返済を免除すること等が検討されている。04年9月から(予定)の臨時国会に裁判所法改正案が提出される予定。

司法制度改革推進本部事務局法曹養成検討会(第23回)  平成16年6月15日
【意見の整理】


 新たな法曹養成制度の整備に当たり、司法修習生に対して給与を支給する制度(給費制)に代えて、国が司法修習生に対して貸付金を貸与する制度(貸与制)を平成18年度から導入することとする。貸与制の具体的制度設計については、次の点に留意するものとする。
1 貸付額については、司法修習生が修習に専念する義務を負うことを考慮た額とすること。
2 返還は10年程度の年賦等による分割払とし、繰上返還も認めるほか、情に応じて返還猶予を認めるものとすること。
3 返還期限が経過するまでは無利息とすること。
4 具体的な返還免除や返還猶予のあり方については、関係機関の意見をもまえつつ、引き続き検討すること。
5 貸付金に係る国の債権管理、事務処理などについては、アウトソーシンなどによる効率化を図ること。
6 司法修習生に対して旅費(実務修習地と司法研修所との往復など)を支するものとすること。
(少数意見)
 川端委員は「給費制は、厳しい専念義務の下での充実した、修習の基盤となり、また公益的活動を支える使命感醸成の効果ももたらしているのであり、経済的事情から法曹への道を断念する志望者が出ることを防ぐためにも、なおこれを堅持すべきである」との少数意見を述べた。
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※法曹養成検討会メンバー(11人)は、田中成明(京大副学長)、井上正(東大教授)、今田幸子(日本労働政策研究・研修機構統括研究員)、加藤新太郎(司法研修所教官・判事)川野辺充子(秋田地方検察庁検事正)、川端和治(弁護士)、木村孟(元東工大学長、大学評価・学位授与機構長)、ダニエル・フット(東大教授)、永井和之(中央大学教授)、牧野和夫(国士舘大学教授)、諸石光熙(住友化学工業専務取締役)

防衛省の「政治的中立」について2010/11/24

自衛隊政治的中立通達
 防衛省が、政治的な発言をする団体に防衛省や自衛隊がかかわる行事への参加を控えてもらうよう指示する通達を同省幹部や陸海空の幕僚長に出したことが問題になっている。「隊員の政治的中立性の確保について」と題した通達(11月10日付/中江公人事務次官名)は同省や自衛隊が主催したり関連施設で行なわれたりする行事に部外の団体が参加する場合に、①政治的行為をしているとの誤解を招くようなことを行わないよう要請する、②誤解を招く恐れがあるときは団体の参加を控えてもらう――の2点を指示したもの。
 北沢俊美防衛相は、記者会見で「自衛隊法に基づいて対応しているだけで政治的な意図は全くない」、「シビリアンコントロールの機能を心がけている立場からすれば当然のことだ」と述べ撤回する考えがないとした。仙谷由人官房長官は参議院予算委員会で、「暴力装置でもある自衛隊はある種の軍事組織だから、特段の政治的な中立性が確保されなければならない」と答弁した後、暴力措置との表現を「不適当だった」として謝罪したが、通達については「自衛隊の政治的中立を疑わせる発言は慎んでほしいとの要請で、検閲にはならない」と述べ、問題としない考えを示した。
 強大な力を持つ自衛隊組織が政治的中立性を確保し、シビリアンコントロール(文民統制)を徹底する必要があることは当然。しかし、今回問題にしているのは民間人の行為であり、いかに自衛隊施設内とはいえ、これを検閲しようとすることは表現の自由を損なうものと言わざるを得ない。自衛隊法が定める政治的行為の制限は自衛官の行為に対する制限であり、「誤解を招く」として外部の民間人にまで適用範囲を広げようとすることは筋違いだろう。
 2010年2月に陸上自衛隊の一等陸佐が鳩山前首相を揶揄する訓示を行なったことが報道され事実上更迭されるという件があったが、この場合は対象は自衛隊幹部だった。
 今回の通達は、11月3日に航空自衛隊入間基地で開催された航空祭で自衛隊協力団体の代表者が「一刻も早く菅政権をぶっつぶして、昔の自民党政権に戻しましょう。民主党政権では国が持たない」などと発言したのを受けたものとされている。事務次官通達に伴って発出された事務連絡は、発言録を作成し大臣官房文書課に提出するよう求めており、一連の規制は政権批判に対する言論統制、「検閲」の誹りを逃れない。シビリアンコントロールの徹底や自衛隊の政治的中立性の確保の観点からも、そもそもこのような表面的な表現規制に意味があるのかは疑問だ。自民党政権時代にすら行なわなかったこのような表現規制は行なうべきではない。
 例えばドイツでは、軍が一般社会と隔絶し暴走することがないように、兵士を「制服を着た市民」として一般市民と同様の権利・義務を有すべきものと位置づけ、軍隊内においても兵士が自由な人格として責任感ある市民であり続けることを求めている。もちろん軍事組織として限界や制限はあるが、原則として兵士に一般市民と同様の表現の自由を認めることとしている。「内面指導」によって遵法精神を高め、違法な命令に従わない義務を課し、同時に外部の目で軍を監視し兵士の人権や権利を守るための「軍事オンブズマン」の制度を設けている。兵士は政党に所属することもできるし、労働組合も組織されている。
 シビリアンコントロールを徹底するためには表面的なコトバ狩りを部外者にまで拡大し組織を閉ざすのではなく、自衛隊の組織を開き、自衛隊員に市民としての権利を最大限保障し、同時に外部の目で組織を監視する体制の整備こそが求められるのではないだろうか。
 わが国の「シビリアンコントロール(文民統制)」は、事実上防衛省内局の文官(背広組)が自衛隊の実働部隊(制服組)を統制する「文官統制」とも表されることがある。収賄事件で実刑が確定した守屋武昌受刑者(元防衛省事務次官)ら文官が、偏向した思想を公表して更迭された田母神俊雄元航空幕僚長下の部隊等を統制していたのが実態であり、とうてい信頼の出来る体制とは言い難いものだ。
 むしろ2009年には防衛参事官制度が廃止されるなど「文官統制」すら空洞化しているのが現状だ。「シビリアンコントロール」の体制を整備し強化すること自体が極めて重要であることは当然。しかし、それは政治的な発言を表面的に除去することで実現できるとは思えない。

ジャングル開墾 第2弾2010/11/28

 11月27日・28日、ジャングル開墾プロジェクトの第二回目。
 前回、雑草やススキの林を刈りとったのを、きれいにする予定だった。チッパーという機械でバリバリ粉砕し、倒した木を切って薪割りしたり、という感じで…。
 うちは今回も娘と僕の2人参加。若干遅れて到着すると、どうも、頓挫している雰囲気が濃厚に漂っている。ぬぁんと、チッパーが壊れていて動かないんだと。
開墾1
 直す工具も持ち合わせがなく、土日で農協も休みのためお手上げ。全部、人力でやったら戦後の開拓移民状態になっちゃし。ああでもないこうでもないと相談して、刈った草はこのままにして、根っこを掘り出したときに穴を掘ってそのまま土と混ぜてしまうことにしたらどうかということに。
開墾2
 この根っこの固まり↓がくせ者。これが数百単位で埋まっている。人力で掘り出したら大変な作業になりそう。業者から重機を借りて一気に掘り出してしまう予定だったが、いろんなアドバイスをもらっているTさんが知り合いを紹介してくれて、手持ちの重機で手伝ってもらえることになった。
根の固まり
 ユンボを個人で私有している人がいるとは思わなかったが、自ら山林を開拓して、ログハウスを建てたという方だ。人の縁というのはありがたいですね。来年の春から重機を運んで作業を手伝ってくれることになった。当初予定よりスケジュール的には遅れるが、重機を持つ開拓経験者に助けてもらえるとはこんな心強いことはない。ということで開墾作業は来春再開。
開墾3
 ということで、今回はやることがなくなってしまったので、夕食の材料確保を兼ねて大根堀にヒロさんの畑に行く。大根を引き抜くために子どもたちは悪戦苦闘。力任せに引っ張ってもなかなか抜けない。
開墾4
 家へのお土産用に1本引き抜いて大喜び。前回も行った温泉「大菩薩の湯」に行き、泥を落とす。先月は、いっしょに男湯に入ったのだけど、今回は1人で女湯に入ると言われてちょびっとさびしい。まあ、途中でやっぱりいっしょに入ると移って来ちゃいましたが。
 ハギさんたちは、この日に帰る予定なので、大急ぎで古民家に行き夕食の準備。
開墾5
 1回目とくらべると参加者は少なく、しかも日帰り組が多いので、アルコールも控えめに夕食懇親。ほうとうと煮物、漬け物など、自然な食材を使ったシンプルでおいしい食事。ヒロさんの「農的な暮らし」と「Natural Farmer's Village構想」について語り合う。
 日帰り組が帰った後はアルコール込みの懇親。想定外だったのはだったのは、泊まりの子どもがいなくなってしまったこと。子どもが複数いないと、矛先が大人にきちゃうのだ。うちの娘の激しいちょっかい攻撃をかわしつつ深夜まで話しました。
開墾6
 翌朝は朝食後、開墾地に寄って、打合せ。ヒロさんが用意しておいてくれたおいしいお弁当と巨大な爆弾コロッケを受取って、解散。子どもはズーッと走り回っていました。