安保理で「核なき世界」決議 ― 2009/09/25
9月24日、国連安全保障理事会は核軍縮・不拡散をテーマにした初の首脳級会合を開催し、米国が提出した「核兵器のない世界」に向けた取り組みについての決議案を全会一致で採択した。安保理として初めての決議だ。
今回初めて安保理議長を務めたオバマ米大統領は「歴史的な決議だ」と意義を強調した。5常任理事国からはオバマ氏のほかロシアのメドベージェフ大統領、中国の胡錦濤国家主席、ブラウン英首相、フランスのサルコジ大統領の各首脳がそろい、鳩山首相を含む10非常任理事国の首脳らも出席した。
鳩山首相は「世界の指導者にぜひ広島、長崎を訪れて核兵器の悲惨さを心に刻んでいただければと思う」と呼びかけた。被爆国の責任として「日本は核兵器開発の潜在能力があるにもかかわらず、核軍拡の連鎖を断ち切る道を選んだ」と強調、北朝鮮の核問題に直面しながらも核軍拡競争には加わらない立場を鮮明にし、非核三原則の堅持を表明した。鳩山首相は英語で演説したが、国連の演説は通常は母国語で行なうので、日本語で演説すべきではなかったかという批判もあるが。内容は具体性があるとはいえないかもしれないけど、まあ良かったのでは。
―――――――――――――――――――――――――――
核不拡散・核軍縮に関する国連安保理首脳会合の決議(要旨)
(前文)
安全保障理事会は、核不拡散条約(NPT)の目標に沿って、核兵器のない世界に向けた条件を構築することを決議する。
すべての加盟国に軍縮に関する義務の履行や大量破壊兵器の拡散防止を求めた、92年1月31日の国連安保理首脳会議での声明を再確認する。
大量破壊兵器の拡散や運搬は国際的な平和や安全保障を脅かすことを再確認する。
NPTは核不拡散体制の礎で、核軍縮の追求や核の平和利用に不可欠な基礎だと強調する。
核兵器国による核軍縮の努力を歓迎する。
米ロの第1次戦略兵器削減条約(START1)後継に向けた交渉決定を歓迎する。
非核兵器地帯条約の締結に向けた取り組みを支持する。
09年の1874決議(対北朝鮮制裁決議)や08年の決議1803(対イラン追加制裁決議)を再確認する。
核テロの脅威に深刻な懸念を表明し、テロリストを利する核物質・技術支援を防ぐ効果的な措置をすべての国が取る必要性を認識する。
来年の核安全保障サミットの開催を支持する。
(本文)
核不拡散の義務を順守しない状況は安保理で問われることとなり、国際的な平和や安全保障への脅威となるか見極めることを強調する。
NPT締約国に、NPTに基づき義務を全うすることを求め、NPT非加盟国には、非核兵器国としてNPTに加盟するよう求める。
来年のNPT再検討会議がNPTを強化するものとなり、核不拡散・核の平和利用・核軍縮というNPTの3つの柱に現実的かつ達成可能な目標を設定できるよう、NPT加盟国に協力を求める。
すべての国に対し、核爆発実験をせず、包括的核実験禁止条約(CTBT)に署名、批准するよう求める。
兵器用核分裂性物質生産禁止条約(カットオフ条約)の早期交渉入りを求める。
核燃料サイクルへの多国間の取り組みに関する国際原子力機関(IAEA)の作業を奨励する。
IAEA追加議定書への署名や批准、履行をすべての国に求める。
NPTを脱退した国は、脱退以前のNPT違反について責任を負うことを確認する。
今回初めて安保理議長を務めたオバマ米大統領は「歴史的な決議だ」と意義を強調した。5常任理事国からはオバマ氏のほかロシアのメドベージェフ大統領、中国の胡錦濤国家主席、ブラウン英首相、フランスのサルコジ大統領の各首脳がそろい、鳩山首相を含む10非常任理事国の首脳らも出席した。
鳩山首相は「世界の指導者にぜひ広島、長崎を訪れて核兵器の悲惨さを心に刻んでいただければと思う」と呼びかけた。被爆国の責任として「日本は核兵器開発の潜在能力があるにもかかわらず、核軍拡の連鎖を断ち切る道を選んだ」と強調、北朝鮮の核問題に直面しながらも核軍拡競争には加わらない立場を鮮明にし、非核三原則の堅持を表明した。鳩山首相は英語で演説したが、国連の演説は通常は母国語で行なうので、日本語で演説すべきではなかったかという批判もあるが。内容は具体性があるとはいえないかもしれないけど、まあ良かったのでは。
―――――――――――――――――――――――――――
核不拡散・核軍縮に関する国連安保理首脳会合の決議(要旨)
(前文)
安全保障理事会は、核不拡散条約(NPT)の目標に沿って、核兵器のない世界に向けた条件を構築することを決議する。
すべての加盟国に軍縮に関する義務の履行や大量破壊兵器の拡散防止を求めた、92年1月31日の国連安保理首脳会議での声明を再確認する。
大量破壊兵器の拡散や運搬は国際的な平和や安全保障を脅かすことを再確認する。
NPTは核不拡散体制の礎で、核軍縮の追求や核の平和利用に不可欠な基礎だと強調する。
核兵器国による核軍縮の努力を歓迎する。
米ロの第1次戦略兵器削減条約(START1)後継に向けた交渉決定を歓迎する。
非核兵器地帯条約の締結に向けた取り組みを支持する。
09年の1874決議(対北朝鮮制裁決議)や08年の決議1803(対イラン追加制裁決議)を再確認する。
核テロの脅威に深刻な懸念を表明し、テロリストを利する核物質・技術支援を防ぐ効果的な措置をすべての国が取る必要性を認識する。
来年の核安全保障サミットの開催を支持する。
(本文)
核不拡散の義務を順守しない状況は安保理で問われることとなり、国際的な平和や安全保障への脅威となるか見極めることを強調する。
NPT締約国に、NPTに基づき義務を全うすることを求め、NPT非加盟国には、非核兵器国としてNPTに加盟するよう求める。
来年のNPT再検討会議がNPTを強化するものとなり、核不拡散・核の平和利用・核軍縮というNPTの3つの柱に現実的かつ達成可能な目標を設定できるよう、NPT加盟国に協力を求める。
すべての国に対し、核爆発実験をせず、包括的核実験禁止条約(CTBT)に署名、批准するよう求める。
兵器用核分裂性物質生産禁止条約(カットオフ条約)の早期交渉入りを求める。
核燃料サイクルへの多国間の取り組みに関する国際原子力機関(IAEA)の作業を奨励する。
IAEA追加議定書への署名や批准、履行をすべての国に求める。
NPTを脱退した国は、脱退以前のNPT違反について責任を負うことを確認する。
最近のコメント