5・19 太田竜氏が死去2009/05/19

太田竜
 いやあ、太田竜さん死んじゃったんだねえ。そもそもご存命だったのを知らなかったけど、日本の左翼運動の一つの源流とも言える人だからさすがに感慨深い。享年78歳ということだから、06年に78歳で亡くなった黒田寛一(革マル派の教組)より若かったんだなあ。
 日本みどりの連合とかつくって86年の参議院選挙とか翌年の都知事選にでたのを見て、何なんだろうと思ってから、彼の主張をまともに認識しなくなったんだけど、頑張っていたんだなぁ。
 MELTの寺岡衛さんと江藤正修さんが出した『戦後左翼はなぜ解体したのか』(同時代社刊)の別冊『資料集』のなかで、小島昌光さんが太田さんのことを書いていたのを、たまたまつい最近読んだのです。曰く「1週間に1回、400字詰めで10枚の原稿を書くが、書き始めから書き終わりまでほとんど修正がない。一気に原稿を書いても、起承転結がはっきりしている。ものすごい頭脳で、常人ではない」と。「放っておけば太田竜から原稿が次々出てくる」、「太田竜の頭の中に百科事典が入っている。知らないことが何もない。何かあると、それをすぐマルクス主義的に分析する。…全部知っている。即、論文が書ける。例えば○○問題で…論文を書けといったら、あっという間に書く。革命の戦略まで書いてしまう」んだそうな。
 本当かよ?と思うけど、彼らは太田竜派の人々ではないから別にお世辞を言っているとも思えない。じゃあ、なんで革命出来なかったのよ?とかも思うけど、そんな人間が生きてるならぜひ一度、会ってみたかった。
 フランスではLCR(第4インター)のオリヴィエ・ブザンスノーが大人気で「反資本主義新党(NPA)」を結成して大統領選のダークホースとなっているとか、日本でも政権交代があるかもしれないとか、JRCL(日本革命的共産主義者同盟)と「労働者の力」派が機関紙共同編集を決定したとか、激動の世の中をどう思っていたのだろう。