上関原発予定地・岩国米軍住宅予定地視察(岩国)2010/09/27

  9月27日~28日、「『上関原発建設予定地』並びに『岩国米軍基地建設予定地』社民党国会調査団」の一員として、山口県と広島県に行ってきた。福島党首、重野幹事長以下、金子哲夫中国ブロック議長、山本宏山口県連合幹事長、山下隆夫山口県連副代表、原田正山口県連常任幹事、松江和男山口県連常任幹事、服部良一議員秘書の市来さんと福田さん、照屋寛徳秘書の塚田さん、本部国民運動の増田さん、という豪華メンバー。何しろ多忙な党首と幹事長が揃って視察に行くというのは滅多にないことだ。
 東京組は朝7時10分の新幹線に乗らなければならなかったのだが、豪雨。総武線が遅れて、東京駅では5分で乗り換えないといけないハメに。東京駅の果ての総武・横須賀線ホームから死ぬ気で走って、ギリギリセーフ。激走のため息が上がってしまって、しょっぱなからヘロヘロだ。広島でこだまに乗り換え、11時29分新岩国駅着で合流。ミニバン2台に分乗して、まずは愛宕山へ。無所属の岩国市議・田村順玄さんや愛宕山を守る会世話人代表の岡村寛さんの案内で愛宕山の開発事業地を視察した。
愛宕山
 愛宕山地域開発事業は米軍岩国基地の滑走路沖合移設事業と連動して97年に始まったニュータウン事業だ。岩国市中心部近くの愛宕山を削って岩国基地沖の埋め立て用土砂として利用し、掘削後の台地に約5600人が住む住宅地を整備する計画だった。基地の埋め立ては出来たが、跡地の開発はうまくいかず2007年に中止。山口県は国に買取を打診したのをうけ、米軍住宅の候補地とされた。
愛宕山
 さる9月3日に、榛葉賀津也防衛副大臣が二井関成山口県知事、福田良彦岩国市長と会談し、愛宕山地域開発事業跡地に米軍住宅を建設する計画を正式に伝え、市民の不安が高まっている。愛宕山は岩国市街に近い一等地で、住宅も多いため、付近の住民には反対が根強いのである。
愛宕山住民と意見交換
 福祉施設やスポーツ施設等が建設される予定の東側エリアを愛宕神社近くの空き地から視察。視察後、弁当をかっこんでから隣接住宅団地の集会所で近隣住民らと意見交換した。なにげに井原前市長が参加されていたのにビックリ。
岩国市街、岩国基地
 途中、高台から岩国基地を見るが、雨の中なのでもやってあまりよく見えない。黒いパラボラアンテナが付いているのが米軍人居住の住宅とのこと。沖縄のなんかと比べても多い印象。車で岩国飛行場の埋め立て場所付近まで行ってから岩国市役所に立ち寄って、トイレ休憩。
岩国市役所前
 すると、福田現市長があらわれる。予定になかいことだったので、具体的な話はせず、あいさつ程度の立ち話で立ち去る。
 岩国基地自体はこれまでのも何度か視察に来たことがあるし、基地内にも入って埋め立て現場に立ったこともあるのだけど、愛宕山に来たのは今回が初めて。いやいや本当に山一つつぶしちゃったんだな。愛宕山は市街地にも近く、市民の中の存在感も大きい。このあたり、少し認識が弱かったと反省。
 祝島に向かうため岩国市を後に、上関の室津港に向かう。
――――――――――――――――――――――――――――――――――――――
                                                                        2010/09/27
                         岩国飛行場問題について(メモ)
1、経緯
  ・1993年3月 岩国基地沖合移設工事への土砂提供と宅地造成を目指す愛宕山地域開発事業基本構想策定
  ・1997年6月 沖合移設工事起工式(12月に愛宕山事業起工式)
  ・2005年10月 在日米軍再編「中間報告」に空母艦載機の岩国移転が盛られる
  ・2006年3月 米空母艦載機の移駐案受け入れの賛否を問う住民投票で反対が多数(賛成5,369 vs 反対43,433、反対87%)占める
  ・2006年4月 8市町村合併で誕生した新岩国市長選挙で井原勝介旧市長が当選
  ・2006年5月 2+2共同発表「再編実施のための日米のロードマップ」
  ・2006年10月 岩国市議選。移転容認・反対両派きっ抗。後容認派が3分の2に
  ・2007年6月 井原市長・西村副知事、愛宕山事業中止、跡地転用で合意
  ・2007年12月 新庁舎建設補助金をめぐる市議会との対立で井原市長が辞職
  ・2008年2 月 出直し市長選で福田良彦前衆院議員が井原前市長を破り初当選
  ・2009年1月 県都市計画審議会が愛宕山事業中止に伴う都市計画変更案を可決
2、米軍再編と米空母艦載機の移駐
     05年10月の米軍再編中間報告と昨年5月の最終合意では、厚木基地から空母艦載機59機を、また普天間飛行場からKC130空中給油機12機を、岩国飛行場に14年までに移転することが明記された。岩国基地所属の米軍機は現在の57機から120機に膨らむ。06年3月、当時の井原(旧)岩国市長は移転の賛否を問う住民投票を実施し、反対票が87・4%を占めた。合併後初の4月の市長選では移転計画撤回を訴えて当選し、国に計画撤回を求めた。国はこれを受け新庁舎建設への補助金を打ち切った。補助金は、沖縄の基地縮小に絡む96年の日米特別行動委員会(SACO)合意で、前市長が普天間の空中給油機を受け入れた事実上の見返りで、市は建設費の6割にあたる49億円を補助金でまかなうことを想定していた。補助金をめぐる市議会との対立し井原市長は辞職、出直し市長選では容認派の福田良彦氏が当選した。
3、愛宕山米軍施設建設計画案
   愛宕山地域開発事業は米軍岩国基地の滑走路沖合移設事業と連動して97年に始まったニュータウン事業。岩国市中心部近くの愛宕山を削って基地沖の埋め立て用土砂として利用。掘削後の台地に約5600人が住む住宅地を整備する計画だったが、2007年に中止された。山口県は国に買取を打診したが、防衛施設庁(当時)は「米軍住宅の候補地の一つ」と回答していた。
   9月3日、榛葉賀津也防衛副大臣は二井関成山口県知事、福田良彦岩国市長と会談し、愛宕山地域開発事業跡地に米軍住宅を建設する計画を正式に伝えた。跡地西側に低層の270戸(全体の4分の1)の米軍住宅を建設し、東側エリアには野球場やソフトボール場等のスポーツ施設を建設し開門時は市民も原則出入り自由とするなどとしている。岩国市長と山口県知事は「地元への配慮」を評価し前向きな態度を示しているが、米軍区域の拡大に他ならず住民の中には反対論も強い。        

コメント

コメントをどうぞ

※メールアドレスとURLの入力は必須ではありません。 入力されたメールアドレスは記事に反映されず、ブログの管理者のみが参照できます。

※なお、送られたコメントはブログの管理者が確認するまで公開されません。

名前:
メールアドレス:
URL:
コメント:

トラックバック

このエントリのトラックバックURL: http://hawhaw.asablo.jp/blog/2010/09/28/5430191/tb

※なお、送られたトラックバックはブログの管理者が確認するまで公開されません。