参議院選の結果を考える(1) ― 2010/08/25
今回の参議院選挙の結果の深刻さは、単に得票が減少したという「量」の問題にはとどまらないことだ。
当たり前だけど、選挙はトップで受かってもビリで受かっても当選は当選。次点で負けても落選は落選。1位当選と2位当選は同じだけど、最下位当選と次点落選では天国と地獄ほどの差がある。当落の境目というのが大きな意味を持っている。
今回の参議院の場合はこのラインは当選者1人当り約112万票だった。次点は109万だからその差は約3万しかない。330万票と230万票は100万票違っても結果は2人当選で同じ。230万票と220満票は10万満票の差だけど当選者の数が半分になってしまう。
なにしろ最下位当選者が社民党の吉田さんだから、社民党は崖っぷちなのである。今回2議席に達したのはただの幸運。投票率がもう少し低かったら、あるいは新党ブームで票が分散することがなかったら、当選者1ということは十分にあり得たはずだ。ちなみに前回07年の1人当選ラインは110・9万票(次点は110・7万票)、前々回04年は107・8万票(次点は105・7万票)、01年は102・3万票(次点は100・5万票)であり、少しずつ上がっている。こうしたことを深刻に考えなくてはならないと思う。
これが衆議院の比例の場合は11のブロックに分れるのでこの傾向がより顕著となる。ものすごく大ざっぱに言うと各ブロックの当選ラインは概ね30万~35万票、全国で約350万票程度。理論上、社民党の得票が各ブロック29万9999~34万9999票の349万89票あっても当選がゼロとなる可能性がある。
ちなみに下記は、この間の衆議院総選挙における各ブロックの最低得票の当選者の得票すなわち当選ラインである。ダントツの得票を得た候補者がいるのか、当落選付近に団子になって分布しているのか、候補者を出す政党の数や定数の規模、選挙区の事情等によっても変わって来るが、概ね30万~35万票が当選ラインだ。
■衆議院比例ブロック別最低得票当選者の得票
つまり一定のラインを切ると死票がすごく増えてしまう。政党の配置やブロックの規模等によってかなり事情が違うが、ざっと全国700万票を越せると比較的安定して議席が獲得できるし、350万を切るといきなり困難な情勢に陥ってしまう。
例えば00年の総選挙では比例区の社民党の得票が合計560万票で比例区から15人(選挙区4人)が当選できたが、03年は302万票で5人(同1人)、05年は371万票で6人(同1人)しか当選できなかった。ちなみに09年が306万票で4人(同3人)だ。00年は、37万票で1人を当選させることができたが、03年は60万票で1人、同じく05年は62万票で1人、09年は75万票で1人である。
つまり、得票が減っているところに効率が悪くなるというダブルパンチを食らうのである。得票の減少に比例してじりじりと議席が減少するわけではなく、一定の水準を切るときに議席獲得の効率自身が下がるという「質」の変化が生まれてガクッと減っていく。
社民党にとって次期総選挙がそういう選挙になる可能性が高い。今回の参院選の得票を、つかって次回の衆議院選挙の行方を予想してみたい。
当たり前だけど、選挙はトップで受かってもビリで受かっても当選は当選。次点で負けても落選は落選。1位当選と2位当選は同じだけど、最下位当選と次点落選では天国と地獄ほどの差がある。当落の境目というのが大きな意味を持っている。
今回の参議院の場合はこのラインは当選者1人当り約112万票だった。次点は109万だからその差は約3万しかない。330万票と230万票は100万票違っても結果は2人当選で同じ。230万票と220満票は10万満票の差だけど当選者の数が半分になってしまう。
なにしろ最下位当選者が社民党の吉田さんだから、社民党は崖っぷちなのである。今回2議席に達したのはただの幸運。投票率がもう少し低かったら、あるいは新党ブームで票が分散することがなかったら、当選者1ということは十分にあり得たはずだ。ちなみに前回07年の1人当選ラインは110・9万票(次点は110・7万票)、前々回04年は107・8万票(次点は105・7万票)、01年は102・3万票(次点は100・5万票)であり、少しずつ上がっている。こうしたことを深刻に考えなくてはならないと思う。
これが衆議院の比例の場合は11のブロックに分れるのでこの傾向がより顕著となる。ものすごく大ざっぱに言うと各ブロックの当選ラインは概ね30万~35万票、全国で約350万票程度。理論上、社民党の得票が各ブロック29万9999~34万9999票の349万89票あっても当選がゼロとなる可能性がある。
ちなみに下記は、この間の衆議院総選挙における各ブロックの最低得票の当選者の得票すなわち当選ラインである。ダントツの得票を得た候補者がいるのか、当落選付近に団子になって分布しているのか、候補者を出す政党の数や定数の規模、選挙区の事情等によっても変わって来るが、概ね30万~35万票が当選ラインだ。
■衆議院比例ブロック別最低得票当選者の得票
つまり一定のラインを切ると死票がすごく増えてしまう。政党の配置やブロックの規模等によってかなり事情が違うが、ざっと全国700万票を越せると比較的安定して議席が獲得できるし、350万を切るといきなり困難な情勢に陥ってしまう。
例えば00年の総選挙では比例区の社民党の得票が合計560万票で比例区から15人(選挙区4人)が当選できたが、03年は302万票で5人(同1人)、05年は371万票で6人(同1人)しか当選できなかった。ちなみに09年が306万票で4人(同3人)だ。00年は、37万票で1人を当選させることができたが、03年は60万票で1人、同じく05年は62万票で1人、09年は75万票で1人である。
つまり、得票が減っているところに効率が悪くなるというダブルパンチを食らうのである。得票の減少に比例してじりじりと議席が減少するわけではなく、一定の水準を切るときに議席獲得の効率自身が下がるという「質」の変化が生まれてガクッと減っていく。
社民党にとって次期総選挙がそういう選挙になる可能性が高い。今回の参院選の得票を、つかって次回の衆議院選挙の行方を予想してみたい。
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