足利事件の菅谷さんが再審無罪に2010/03/26

宇都宮地裁前
 3月26日、無期懲役刑での服役中に釈放された足利事件の菅家利和さんに対する再審が開かれ、宇都宮地裁の佐藤正信裁判長は「菅家氏が犯人でないことは誰の目にも明らかだ」と無罪判決を下した。
 判決は、逮捕当時のDNA型鑑定について、「科学的に信頼できると認めるには疑問が残」り「証拠能力がない」とした。また、菅家さんの「自白」についても、「信用性は皆無」とした。さらに、92年12月、勾留中に否認に転じた菅家さんを検察官が法廷外で取り調べ、再び自白させたことについて「刑事訴訟法の大原則に反すると断罪した。  裁判長は「17年半もの長きにわたり自由を奪う結果となり、申し訳なく思う」と謝罪し、3人の裁判官が立ち上がって菅家さんに深々と頭を下げた。再審で無罪を求めた検察側は同日、控訴しないことを地裁に申し立て、無罪が確定した。
 当然と言えば当然だし、菅谷さんの奪われた時間が戻ってくるわけではないが、冤罪が晴れたのはとにかく良かった。関係者の努力には頭が下がります。しかし、この裏には晴らされていない多くの冤罪があることを肝に銘ずるべきだ。同様の信頼性に疑問の残るDNA型鑑定で死刑判決を受けた飯塚事件の久間三千年死刑囚などは、すでに死刑が執行されてしまっている。これが冤罪だったらいったいどうすんだよ。警察も検察も取り調べの全過程の可視化にいつまでも抵抗してんぢゃねえよ。直ちに可視化すべし。
 警察の見込み捜査と自白の強要による被害者は菅谷さんだけではない。結局、真犯人を取り逃がしてしまったわけだから、なにより被害者や遺族が浮かばれない。

コメント

コメントをどうぞ

※メールアドレスとURLの入力は必須ではありません。 入力されたメールアドレスは記事に反映されず、ブログの管理者のみが参照できます。

※なお、送られたコメントはブログの管理者が確認するまで公開されません。

名前:
メールアドレス:
URL:
コメント:

トラックバック

このエントリのトラックバックURL: http://hawhaw.asablo.jp/blog/2010/03/26/4985938/tb

※なお、送られたトラックバックはブログの管理者が確認するまで公開されません。