法輪和尚からヒアリング 「我々式」か?対話か? ― 2009/06/16
北朝鮮の2度目の核実験によって、緊張が高まる朝鮮半島をめぐる情勢について意見交換を行なった。北朝鮮については直接の情報が限られる一方、扇情的な情報が大量に流され、冷静な議論が行ないづらい状況が続いている。立場の違いがあっても、その基盤となる正しい情報を共有し、人権などの市民益や、国益、公益を損なうことがないようにしたいとする法輪和尚の話は極めて示唆に富むものであった。
内部的議論であったため概要のみを紹介したい。
○北朝鮮の実態は、経済・社会的にはボロボロ、一方で政治的、軍事的には相当の力を保っている。
○中国の北朝鮮への影響力は過大に評価されている。中国の影響力は実は低く、ロシアの影響力はほとんどないのが実態。最も影響力があるのはアメリカ。
○北朝鮮支配層にとって最も重要なことは体制の維持、そのために①アメリカとの関係改善と、②核開発が最重要課題。この2つは互いに矛盾することを北は理解している。
○核開発に絶対的に固執しているわけではなく、対米関係が改善すれば核開発を遅らせるだろう。
○北朝鮮政府はこの間の経緯でアメリカを信用できないと考えている。アメリカの出方次第で対応を決めている。「我々式」(自分たちのやり方)ですすむ考えだ。
○北朝鮮政府には軍事・政治・外交しか存在しない。住民政策は存在しない。北朝鮮住民は北朝鮮の政府の被害者であり、これを分けて考える必要がある。人道支援は人道支援として行なうべきだ。
○制裁には効果がない。北朝鮮はもともと貿易で成り立っている国ではなく、効果は限定的。中国の支援は実はそれほど大きくなく決定的な影響力はない。困るのは罪のない住民。
○中国やベトナムのような開放政策は安全保障が実現しない限りあり得ない。安全が保証されれば可能性があるだろう。
●結局、これからの北朝鮮の進む道は2つしかない。
1つは、「我々式」でどこまでも突き進む。
もう1つは、アメリカとの交渉によってこれを止めさせる。
結局、好むと好まざるとを問わず、アメリカが交渉のテーブルについて、北朝鮮の「我々式」を止めさせるしか方法はないのだ。北朝鮮と全面戦争をして現支配体制を一掃する程の決意と確実にそれをやりきる能力があるなら別かも知れないが、感情のママの中途半端なチキンレースは北朝鮮政府をどこまでも「我々式」で突き進ませることしかならないのである。それこそ「地獄への道」なのではないだろうか。
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