国交がなきゃ文句も言いづらいんじゃん2006/07/24

 北朝鮮・拉致問題の話をしていたときに「北朝鮮のような非民主的な軍事独裁国と国交を結ぶ必要はない」と言われた。う~ん。日本が国交結んでいるのって全部民主的な国だっけ?と思ったので調べてみた。ただ民主的かどうかってなかなか判断が難しい。
 例えば、日本では普通、中国のことを「一党独裁」の国としているけど事実ではない。実際は中国共産党以外に八つの党(中国国民党革命委員会、中国民主同盟会、中国民主建国会、中国民主促進会、中国農工民主党、中国致公党、九三学社、台湾民主自治同盟)が存在している。個人的な体験でも来日した大衆組織の幹部達と交流した際、その長が共産党以外の政党の幹部だったことに驚いたこともある。もちろん中国憲法は共産党の指導的地位を明記しているので政党間の公平な競争が行なわれているとは言えないし、規模も比較にならない。共産党以外の人間を重用してみせるのもアリバイ的で、実際は共産党員が回りを囲んでしまうわけだから実質上の意味はない。でも、限りなく一党独裁的ではあるけど、制度としては「中国共産党の指導する多党協力と政治協商の制度」っていうんだってよ。
 日本だって、戦後一時を除いて自民党の一党政治が続いているわけだから、政権交代って視点で見たらかなり成績は低い方でしょう。
 それはそれとしていろいろ探したんだけど、とりあえずFREEDOM HOUSE(http://www.freedomhouse.org/)って団体が提供しているインデックスで分けてみた。政治的権利と市民的自由を1~7の数値で表している。米、英、独、仏、豪、加なんかが(1・1)、日本は(1・2)、北朝鮮とかスーダン、シリア、ウズベキスタンなんかが(7・7)って感じ。この数値を細かく見ていくと必ずしも公平と言えないような部分もあるんだけど、まあキリがないのでとりあえず良しとして、エクセルで足して並び替えてみると、国連加盟国数191+台湾の192ヵ国のうち日本より指数が上なのは46ヵ国。5ポイントと10ポイントで一応切って、5ポイント以下を自由で民主的な国ってすると89ヵ国、10ポイント以下の政治的権利と市民的自由のない国が45ヵ国、その間が58ヵ国でした。人口比で行くと、Freeが46%、Partly Freeが18%、Not Freeが36%、中国がNot Freeに入るからどうしても多くなっちゃう。
 要するに、一応民主的な国っていうのは半分ないんだよね。国交結ぶかどうかは相手がどんな国かなんて関係ないっていうこと。日本は190ヵ国を承認してるけど(国連非加盟のバチカンと国交があるので数が合わない)、北朝鮮だけ承認せず国交もないっていうのはやはり異常。文句言うのもいいずらいじゃん。

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